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餘部鉄橋 日本一のトレッスル橋(新餘部橋はエクストラドーズド橋)
トレッスル橋 L=310.59/H=41.45 架橋:1912年(明治45年)2010年(平成22年)架替
所在地 兵庫県美方郡香美町香住区                08/08/13(水)訪問 10/08/20(金)再訪       地図
JR山陰本線餘部駅すぐ

 やぐら状に組み上げた橋脚を持つこの餘部橋梁は、トレッスル橋としては日本一の規模を誇っている。高さを誇っていることと、日本海に面した海沿いに架橋されていることもあって、強風の時には列車運行に影響を受けていた。1986年12月には25mを超す強風の中、運行中の列車が橋から落下するという事故が発生している。   

鉄橋は鎧駅方向に架かっている。 この橋がコンクリート製の橋に架け替えられようとしている。2007年の5月に始まった工事が架橋完了の2010年を目指して進んでいる。このため、裏山の展望台への道が閉ざされている。鉄道ファンならずとも餘部鉄橋の雄姿を一目見ようとするファンが多く詰め掛けている。   

 餘部駅は山の斜面にへばりつくような狭小な場所に設けられている、駅のホームは片側だけにしかなく、もちろん単線区間です。このような駅を単式1面1線と言うようである。一つ東側の鎧駅からは4つのトンネルと餘部鉄橋を渡ってこの餘部駅にたどり着く。鉄橋の架橋は1912年と古いけれども、駅の設置は1959年とずっと後のことになる。それまでの間は、鉄橋と4つのトンネルをぬけて鎧の町まで通ったということが駅に説明があり、その時の工事を手伝った小学生も含めた地元民の苦労がコンクリート壁に壁画として残されています。   

  駅から下の町までは坂道を下って降りてゆきます。工事中の安全のために、一部足場を組んだ歩道にもなっていました。写真を撮るためには橋から少し遠ざかったところまで歩いてゆかなければなりませんが、途中の民家の屋根、電柱などの障害物を写しこまない様にするためには、海側に歩いて行ったほうがよかったのでしょうか。滞在時間が少なかったので、反対側からの写真を撮ったあと、海側に行ってみる時間がありませんでした。   

 橋は全長が310.59m、高さ41.45mある。橋脚は11本立っている。写真には全ての橋脚を映しこむことができなかったが、餘部駅側の橋脚は山の斜面に建っていて、他の橋脚より背が低い。計画ではこの橋脚を含む3本を保存するという処遇案も出ている。 

 これより以降は、2010年8月20日の訪問の記録です。

 新橋は鉄筋コンクリート橋で、3基の橋脚を持っています。全長、高さなどは旧鉄橋とほぼ同じで、旧鉄橋が掛けられていた山側に架けられました。高さ1.7メートルの透明なアクリル製の防風壁を備えていて、今までは風速が20m/sを超えると列車運行を中止していたけれども、今後は、風速30m/sまで運航が出来るようになりました。
 トンネルと新しい橋の接続のために、橋のトンネル側(鎧駅側)を緩いS字に造ってあります。今までは、ホームの海側を線路が通っていたのを、ホームの山側を削って線路を通しています。
 現状のまま保存されることになった橋脚には、その上の橋までを一体として残し、展望台『空の駅』にする計画になっています。

餘部駅・単式1面1線の駅 鉄橋の向こうに鎧駅がある 鉄橋の橋脚
鉄橋の南側から見た全景 鉄橋の橋脚 香住漁港と鉄橋
新橋と旧鉄橋の橋脚  新橋の中央の橋脚   線路は山側を通る
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