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筑後川昇開橋 日本に現存する最古の昇開橋、しかも現役で稼動する。
指定など:国の重要文化財(平成15年指定)・機械遺産登録・近代化遺産
昇開式可動橋(筑後川) L=507.2/B=   架橋:1935年(昭和10年) 
所在地 佐賀県佐賀市諸富町大字為重地先−福岡県大川市大字向島地先     08/12/21訪問        地図 
JR佐賀駅下車、バスセンターより佐賀市営バス諸富・早津江線に乗車「昇開橋前」下車。

 佐賀で滞在可能な時間が短かったため、予め調べていたバス時刻ではゆっくりと橋を観てくることが出来そうになかった。そこで、バスセンターの案内所で「諸富橋」バス停に行き、そこから少し歩くという別の路線を教えてもらいました。
 「諸富橋」バス停を降りると、道路の先に筑後川に架かる諸富橋がみえています。そこから下流側にすぐ昇開橋が見えています。バス停から歩いて12〜3分です。

霧雨に煙る筑後川昇開橋 筑後川昇開橋(正式名称は筑後若津橋梁)は、元は国鉄佐賀線の鉄橋で昭和62年3月に廃線となった。同鉄橋も閉鎖され解体も検討されたが、地元の橋存続の要望が強く、1996年(平成8年)に遊歩道として復活した。
 昇開橋としては日本に現存する最古のもので、なお且つ今も現役で稼働しています。橋の稼働目的は、本来の船の航行の為の昇開であるよりも観光のためのものとなっています。9時35分を第1回目として、一時間ごとに1日に8回の稼働が行われます。橋の稼働部分の長さは24mで重量が48tあります。約5分かけて30mある鉄塔を23mの高さまで上昇します。

 橋の操作室は大川市側の可動部分のそばにあります。係の人が二人詰めていました。橋の稼働を行うほかに、この橋を訪れる観光客に簡単な説明もしてくれます。記念品(キーホルダー・携帯ストラップなど)も扱っています。
昇開橋の稼働時刻表 橋を稼働する時間になると、係の人が両側のゲートを閉めます。巻き上げウインチは大川市側の鉄塔にだけあって、佐賀市側の鉄塔には設置されていない。両側のバランスを保ちながら水平に上昇させる仕組みを説明していただいたが、写真を撮ることに気がとられていてしっかり聞いてこなかったので上昇の説明が十分できません。
 上昇開始の写真Aは、すでに3〜4mくらいせり上がった状態です。最終的には右下端の写真Cのように23mまで上昇します。筑後川に映える優美な姿は、この橋をいつまでも残しておきたいという地域の人々の気持ちを伝えるものがあります。鉄で出来ていてどことなく無骨な姿ではあっても、人の心に郷愁を感じさせるものがあります。木造の橋も良いけれども鉄橋にもそれ相応の良さがあるものです。

 この橋は平成15年に国の重要文化財に指定されています。さらに、平成18年には機械遺産に認定されたということです。橋ウオッチャーならずとも一度は見ておきたい文化遺産ではあります。

 日本国内で今も鉄道橋として稼働しているのは、四日市にある末広橋梁(跳開橋)だけ。

佐賀市(右岸)側から見た 上昇してゆく橋桁A 上昇してゆく橋桁B
上昇していく橋桁@ 上昇する橋桁の上 可動部分が上昇完了したC
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