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ガラタ橋 金角湾に架かる鉄道と道路の可動橋
跳開式可動橋  L=400/B=**   架橋:1992年
所在地 トルコ国イスタンブール県イスタンブール市                 11/10/06訪問           地図
イスタンブールのアジアンバザールに程近い金角湾にかかる。
 トルコのツアー旅行に参加した。旅程の最終にイスタンブール市内見学が組み込まれていて、僅かばかりの自由行動もある予定になっていたので、この時間を利用して橋を往復してみようと考えていました。
 ところがオプショナルツアーで参加したボルポラス海峡クルーズが、金角湾口のアジアンバザールに程近い船着場からの出航で、ガラタ橋を潜ってボルポラス海峡を黒海側に向かうコースであったから、渡橋することなくして、橋めぐりをすることができた。

 クルーズ船乗場金角湾の北側は新市街で、南側は古くから栄えた旧市街になっています。この、両方の市街地を結ぶ橋が金角湾に3つあり、ガラタ橋はマルマラ海の湾口に最も近いところにあります。少し奥まったところにアタチュルク橋が、更に奥にハリチ大橋が架けられています。

 ガラタ橋には、自動車と人ばかりでなくトラムと呼ばれる路面電車の軌道が敷設されていて、交通の要衝になっています。橋の中央部で「ハ」の字型に開閉する跳開橋です。

ガラタ橋中央の可動部分 可動する部分は橋の中央部(右の写真)で、両側にある水門の様に見えるところが、可動させるための装置を納めた管理棟になっている。
 日本の各地で見てきたような、いかにも可動橋ですといった、機械機械していないスマートさがあって、可動橋の機能美を好むマニアには物足りなさを感じる。と共に、可動橋などを気にしない人たちには、この橋が可動橋であることを気付かせない。
 金角湾に出入りする大型船舶のために、朝の早い時間に稼動するという説明がありました。ラッシュ時になると夥しいほどの車で道路が埋め尽くされるイスタンブールでは、早朝の短い時間だけの開閉でないと交通の妨げになるものと考えられます。

 この橋が可動橋であることのほかにも他の橋と違っているところがあります。それは橋が上下2層になっていることで、上層部が先に説明した、人道、車道、トラム軌道になっていて、下層には多くの商店が店を出している。ただ、下層部分は中央の開閉部分で行き止りになっているので、下層を歩いては対岸に渡ることが出来ない造りになっています。
 可動橋の制御のための棟の階段を使って、上層に昇って対岸に渡ることになります。

 クルーズ船は、金角湾をマルマラ海に出てボルポラス海峡を北上する。ボルポラス海峡はトルコをヨーロッパとアジアに分断している海峡で、イスタンブール市を東西に分けている。海峡のは南北に約30km。幅は最も広い地点で3700m、最も狭い地点でわずか800m程である。この海峡に2つの吊橋が架かっています。
 ヨーロッパとアジアを結ぶ橋なのです。本州と九州を結ぶ、本州と四国を結ぶという橋からすると、ずっと地球的規模の橋になっています。

 マルマラ海をボルポラス海峡に入って最初の橋は、イギリスがこれを建設したものでボスポラス大橋と呼ばれ、もう一つの橋は建設のファーティフ・スルタン・メフメト橋と呼ばれる。こちらは日本のODAによって建設されたものである。この意味からいうとファーティフ・スルタン・メフメト橋は日本とトルコを結ぶ友好の橋なのです。

ボスポラス大橋とファーティフ・スルタン・メフメト橋の仕様
仕様 ボスポラス大橋 ファーティフ・スルタン・メフメト橋
全長 1510m 1510m
中央支間長 1074m 1090m
幅員 39m 39m
海面よりの高さ 64m 64m
主塔の高さ 105m 105m
建設国・建設年 イギリス/1973 石川島播磨重工業・三菱重工業/1988
ガラタ橋の全景 橋を稼働させる制御棟(旧市街側) 下層にはレストランなどが店を出す
第一ボスポラス大橋の全景 ファーティフ・スルタン・メフメト橋の遠望 ガラタ橋稼働部の裏側
ガラタ橋の商店街 橋には船用に信号がある トラムが橋を渡っている
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