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生地中橋 日本最初の片持ち式旋回橋
指定など:未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選
片持ち式旋回可動橋(黒部漁港) L=38.4/B=7  架橋:1982年3月(昭和57年)
所在地 富山県黒部市生地四十物町                           10/07/20(火)訪問      地図
JR北陸本線生地駅下車、徒歩約20分。レンタサイクルで約10分
 旋回式可動橋は、水路中央の橋脚を回転軸として、90度回転して橋桁を水路と平行にすることで、船舶の通路を確保する可動橋です。これが、旋回式可動橋の普通の形式です。
 生地中橋はこの方法を採らず、橋桁全体を左岸側を支点に旋回する形をとっています。 片持ち式旋回橋です。この形式を持つ旋回橋には、夢舞大橋(大阪市此花区)がありますが、生地中橋とは、規模においても、旋回する機構についても大きな違いがあります。
 昭和36年8月に、黒部漁港拡張のために動力昇降式可動橋として架けられた橋が、昭和57年3月に旋回式可動橋に架け替えられて現在にいたっている。「日本最初の旋回橋」は、片持ち式の旋回橋では、日本初というものであるのかと思われます。神戸市兵庫区にある和田旋回橋は、現在可動こそしていないけれども、こちらはもっと歴史のある旋回橋です。 

右岸の生地港側から見た生地中橋 生地の駅を降りて、駅前に公民館があったので立ち寄ってみました。橋までの道順とおおよその所要時間は、事前に調べてあったのですが、現地の、コミュニティーバスなどの情報をお聞きしましたら、レンタサイクルが利用できることが判りました。
 地域振興のためのサービスで、料金は不要です。炎天下を歩いて訪問することを覚悟していたので大助かりです。

生地中橋 橋銘板 橋そのものはどこにでもありそうなもので、敢えて言うならば、橋の大きさの割には、躯体がしっかり作られている印象がある。左岸側の橋の管理棟と遮断機の設置、橋の稼働時間の説明板、可動橋の説明案内板などが、可動橋であることをうかがわせる。
 橋を詳細に観察して見ると、左岸側を起点に旋回させるため、鉄で出来た摺動面を持っています。対岸はラック状の鉄が取り付けてあって、橋を陸の部分に固定している。旋回させるときには、このラックのかみ合わせを解除するために、橋全体をジャッキアップするものと思われる。

 生地中橋は、頻回に稼働している橋という情報が、ネットで紹介されているが、訪問した時は、「・・・但し、必要のない時は操作しない」に当たったため、旋回する橋の写真は撮ることが出来なかった。

左岸側の遮断機と円弧上の摺動面 左岸海側から見た 右の建物は管理棟 右岸側 ラック状に咬み合わせてある
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