HOME - 趣の違う橋を巡る - 観月橋
矢掛の流れ橋
木造橋 L=80(小田川) 正式名称 観月橋 
所在地 岡山県小田郡矢掛町矢掛                          10/08/28訪問           地図
JR伯備線清音駅より、井原鉄道に乗り換えて矢掛駅下車、徒歩約10分 
 観月橋という立派な名前を持った流れ橋が、岡山県の矢掛町にある。この情報をもとに訪れてみましたが、橋桁のない、橋脚だけが向う岸へと続く状況になっていました。
 対岸に続く橋脚のみが残るこの橋は、近い将来撤去されるようなことがネットで紹介されていたが、それが何時のことなのかはっきりとしない。平成20年の6月には、正常に渡れる状態に戻っていたことまでは確認できていました。地元の方に何時から渡れない状況が続いているのか訊ねましたけれども、はっきりとしたことが判りません。

 無残な姿をした橋脚だけを写真に撮ってきました。この橋脚の上に、約1.5m位の幅で板を渡して橋を構成していました。橋板はワイヤーでつながれていて、増水時には、橋脚から外れて流れに任せるようになっている。川が正常な水位に戻った時に、ワイヤーを手繰り寄せて、橋脚の上に板を敷き詰めて橋を元に戻す。
 写真に見るようなコンクリート製で、二本足のごく簡単な形の橋脚が18基ほどあって、流れ橋の在りし日の姿をとどめていました。

 このことを繰り返してきた橋でしたけれども、下流300m位のところには通常の橋が架かっていて、観月橋の存在がそれほど重要なものでなくなっています。復旧しないのも止む無しと言えます。

観月橋の今後に復旧について矢掛町に問い合わせてみました。
 現在、観月橋の下流50mのところに矢懸井堰を新設工事中で、これは、旧の矢懸井堰の老朽化に対応するもので、地域の利水施設としてはなくてはならないものだそうです。井堰が完成して湛水したときには、観月橋が水没してしまうこと、また、観月橋が流された場合には、井堰を損壊する可能性があることなどを考慮して、やむなく、観月橋を撤去することになったようです。
 同様な形式の流れ橋は、観月橋の上流の小田地区に北畑橋、江良地区に野宮橋があって、これらの橋は今も流れ橋として健在です。
 

橋脚だけ残っている(写真拡大) 橋脚だけ残っている 橋脚だけ残っている
inserted by FC2 system