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枡築らんかん橋 往時の塩田の様子を今に伝える石橋
指定など:防府市指定文化財
刎橋を模した石橋(入川)  L=8.8/B=1.8  架橋:明和年間(1764〜1772)
所在地 山口県防府市大字田島地先−大字浜方地先                     '11/05/26訪問     地図
JR山陽本線防府駅下車、防長バスの工業団地東海カーボン前行きに乗車塩田記念公園前下車、徒歩で西へ
 錦橋を訪問したあと、自転車を走らせること20分くらいで到着しました。

 枡築らんかん橋は、大浜に塩田が築かれた明和年間(1764〜1772)に、枡築間の通路として入川に架橋された石橋です。かつては、木製の欄干が取り付けてありましたが現在は欠失しています。
枡築らんかん橋全景 橋桁の露出部は、長さ8.8m、幅1.8m中央つりげたの厚さ15cmで、中央部は満潮時でも橋の下を製塩の燃料となる石炭や、製品となった塩などを乗せた上荷船が通行できるように、橋台から60cm程度高く造られています。大浜塩田にはほぼ同形同大のものが9橋ありましたが、往事の地に残るのはこの1橋のみとなっています。

 現地の説明板にはこのような説明が出ていました。ここにある"枡築間の通路として入川に架橋された"の意味を調べてみますと、塩田が枡の形に似ているので、枡築浜と呼ばれていました。この間を入り組んで流れる水路が入り川です。かって存在した9つの橋は、その意味からすると全て枡築橋一般的な名前になります。らんかんは木製の欄干が取り付けてあったと言うほどの意味を持っているだけで、特に、固有の名称でもなさそうなのです。この橋のかかる川の入川と云う名前も単なる呼称で、川の固有名ではないかもしれません。
 1橋だけ現地に存在するので、「枡築らんかん橋」がこの橋の固有の呼名になったのでしょうか。かって存在していた9橋の内の2橋は移設展示されていて、そのうちの1橋が、近くにある「三田尻塩田記念産業公園」にあります。

 この橋は、日本の三奇橋の一つに数えられている甲斐の猿橋を素型としているとも言われています。両岸から突き出した刎木(この橋の場合は石材)を2段に組み、その上に水平に4本の石材を置いて架橋してあります。水平部分の長さは3.8mあります。

渡り口から見た 刎木と護岸の様子(写真拡大) 塩田公園に移設展示されている1基
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