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名古屋港跳上橋 日本に現存する最古の跳上橋、跳ね上げた状態で保存中
指定など:登録有形文化財・近代化産業遺産
鋼製跳開式可動橋(運河*本文参照) L=63.4/B=4.7 架橋:1927年(昭和2年)
所在地 愛知県名古屋市港区入船1−6、千鳥2−4地先              11/03/11訪問        地図
名古屋市営地下鉄名港線名古屋港下車、東へ徒歩約10分
 今までに跳ね上げ橋(跳開式可動橋)をいくつか見てきたが、名古屋港跳上橋はその跳ね上げの機構については今までに類のないものです。上部カウンターウエイト式と呼ばれる。「カウンターウエイトの頂部は、鉄骨アームを介して、鉄柱に連結され、可動桁が昇降しても、そのカウンターウエイトは常に直立するように装着されている。」と説明されています。
 今は、稼動する状況を見ることは出来ないから、せめて跳ね上がっていない状況の姿でも見ることが出来たら、カウンターウエイトがどのような動きをするのかが判るのだが、上に書いた説明では充分に理解しがたいところがある。

稲荷橋から見た橋の全景 橋は4径間からなります。南側の1径間が稼動部分になっています。各々、13.5m、13.45m、13.45m、19.60mあって、19.6mの部分が稼動部に成っている。 

 名古屋市営地下鉄の名港線名古屋港駅を降りて東におよそ10分で付くところにある。南流する堀川の河口近くの右岸側にかけられている。名古屋港の旧1号地と2号地を結ぶ臨港鉄道の鉄道可動橋で中川と堀川を結ぶ運河の出口に当たる。旧1・2号地間運河可動橋、堀川可動橋とも呼ばれている。    

 運河の北側は可動橋が工場敷地内に取り込まれています。周りが護岸壁で取り囲まれていて、橋は護岸壁の外側にある。護岸壁に取り付けられた昇降用のはしごを使って、橋のそばまで下りることが出来ます。(禁止の立て札などなかった。)レールを残したまま対岸に向かって、可動橋の固定側の橋が伸びています。レールの下の枕木などが一部欠落していたので、その先を歩いてわたる危険を冒しませんでしたが、渡ってみたい衝動に駆られます。下の左側と真ん中の写真がその場所から撮ったものです。    

 運河の南側(橋の跳ね上げの支点側)は日本製粉の工場敷地内に取り込まれています。構内を歩いて行くしかアクセスする方法がありません。事務所のそばに運転手詰所と思われる建物があったので、写真を取らせていただくことをお願いしました。
 下の下段の真ん中と右側の写真はそこで取ってきたものです。線路跡が写っている写真は、防潮鉄扉の桟に足をかけて防潮堤に昇って撮ってきたものです。
 カウンターウエイトとレールまでの距離が、橋を跳ね上げた状況では1m位しかありません。橋を下ろすと、このカウンターウエイトが列車を通す高さまで上方にスライドアップするのでしょうか。    

 この橋が降ろされたままで保存されていないのには理由があります。今も、運河に出入りする船舶があって、運河の両側にある工場への荷揚げをするためです。象の鼻のような形の粉体揚陸用の装置が運河に向かって設置されています。クレーンも一基設置されていました。

橋北詰から見た 堀川側から見た 橋は南詰めの第一径間が跳ね上がる
運河上流の稲荷橋から見た(拡大) 橋上部に載せられたカウンターウエイト 跳ね上げ部の駆動ギアが見える(拡大)
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