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大阪府立狭山池博物館 狭山池の堤や出土文化財を中心に、人間の最も基本的な営みである水と大地との関係性を追求する土地開発史専門の博物館です。(公式HPより
開館 2001/03/27 延床面積 4948.47u
所在地  大阪府大阪狭山市池尻中2丁目           訪問日 平成20年11月18日(火)        地図
アクセス 南海高野線大阪狭山市駅下車徒歩約10分
管理運営  大阪府  公式HP
利用案内 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日)、年末年始(12月28日〜1月4日)
       開館時間:午前10時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで) 入館料:無料
 狭山池の北堤から見る博物館の全景は、こんなに立派な施設がなぜこの場所に建てられたのかと思ってしまう。狭山池の治水の歴史を記録するため、にここに建てられたのであるけれども、なぜ狭山池でなければならないのだろう。最も、狭山池は1400年もの間、人によって管理された歴史のある池であったとしても、これ程に大きな施設である必要があるのだろうかと思う。

狭山池博物館全景 大阪府に住んでいて思うことは、文化的な施設が少ないということである。博物館、美術館、図書館、文化ホール、劇場など規模の大きな設備の充実したものが少ないように思う。それなのに、治水に特化した狭山池博物館のような大きな施設が建てられている。万博公園内の国立民族学博物館のような全方位的な広範な資料を展示するような施設が、大阪府に設置されている例が少ない。国立国会図書館関西館に至っては京都府の郡部まで出かけなければなりません。もちろんこの地が学園都市として開発されているにしても、あまり偏狭な所にありすぎるように思うのです。

 いろいろ箱モノを巡っていると、おおむね、地の利の悪い所に建てられた施設が多いことに気が付きます。地元の人からすれば近いに越したことはないのでしょうが、繰り返して利用訪問するものではないからどれほどの効用があるのでしょう。

1階の親水空間の水のカーテン 館内に入るために、狭山池博物館と表示された入口から細長い通路を歩きます。入口にたどり着くまでにエレベーターで1階に下りて、水庭に落ちる水のカーテンの飛沫を感じながらひと廻りしてしまいました。入口の表示を見つけて元に戻ると、コートと呼ばれる円形の広場がある。この中から階段を使って二階にあがったところに受付とロビーがあります。初めての来館者には極めて分かりづらくなっています。それくらい大きな建物になっています。
 展示室は主に1階にあります。この博物館のメインの展示物である狭山池の堤が、高さ15.4m幅62mもある巨大なものでこれを収容するために、一部1階から2階への吹き抜けになっている。この堤の壁の裏側からスロープを下って1階の壁の正面に出てきます。1400年の治水で築き上げた壁の歴史的遺構です。平成の工事で回収された東樋の実物がこの堤の壁に沿って展示されています。
 展示スペースは細長くなっていて、堤の壁の反対側にはパネルと映像の展示があります。先に進むと、別棟の建物には開拓にかかわった人物の治水工事の紹介と、ここにも平成の工事で回収された遺構があります。江戸時代の木製枠工・中樋の石組、昭和の時代に設置されて使用されていた取水塔の実物の展示など、どれもこれも大型の展示物です。

 音声ガイドを聞きながらの展示物見学は確かに狭山池の歴史、日本の古代の治水を工事の歴史を知る上では面白いのかもしれないが、治水事業と云う極めて限られた領域にどれほどの人が関心があるのでしょう。入館料無料であったとしても、大阪都心部から1時間弱、往復で1000円以上の交通費がかかってしまうところまで足を運ぶことがあるのだろうか。

狭山池の堤(実物の保存) 東樋取水口 東樋の通管
江戸時代の木製枠工の遺構 コートと呼ばれる部分
1,2階吹き抜けになってる
昭和の取水塔
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