HOME - 箱物見学記 - 泉北考古資料館
泉北考古資料館は、昭和45年11月に開館し、泉北ニュータウン造成に伴い発掘され、重要文化財に指定された府陶邑(すえむら)窯跡群出土品(2585点)などを所蔵している。
開館 1970 閉館 2010/03/31 延床面積 1848u 設計 槇文彦 
所在地  堺市南区若松台2丁4(大蓮公園内)          訪問日 平成22年4月23日(金)        地図
アクセス 泉北高速鉄道泉が丘駅下車徒歩約7分
管理運営  大阪府文化財センターから堺市に引き継がれて堺市の直営
利用案内 休館日:月曜日・火曜日・年末年始 開館時間:10時〜16時30分 入場料:無料
 橋下府政の改革プロジェクトによって、平成22年3月末で、大阪府から堺市に引き継がれた。名称を「堺市立泉北すえむら資料館」と変えて、従来の展示物を引き継ぎながらも、新たに堺市所有の出土品も加えて、より充実した展示に模様替えした。4月14日にオープンしたばかりである。
堺市立泉北すえむら資料館 堺市に引き継がれたことを認識していなかったため、泉北考古資料館と云う名前で探していたが、道を尋ねた地元の人から聞いて、初めて「泉北すえむら資料館」になっている事を知った。
 じつは、平成21年4月22日に、大阪府立大型児童館ビッグバンを訪問した。このときに、同じ泉北高速鉄道「泉が丘駅」のそばに、この施設があることを知っていたら、一度に訪問をしておくことができたのに残念です。

泉北すえむら資料館全景 いままで、大阪府立近つ飛鳥博物館、大阪府立狭山池博物館、大阪府立弥生文化博物館、大阪府立国際児童文学館などの、大阪府が管理する箱モノを見学してきたが、その建物の大きさに圧倒されて、まさに箱物という印象を受けてきた。
 それを思えば、ここ、大阪府立泉北考古資料館は、大きな建物ではない。だからこそ、維持管理には費用もそれほどにかからない、などの理由から引き受けて運営しようという堺市の思惑に合致したものと思われます。
 そう意味からしても決して箱モノと云い切れないところがあります。利用のされ方だけで存在価値を問われてしまうと、文化施設のよりどころがなくなってしまう。文化的なインフラ設備は、その維持管理のされ方が問題なのです。
 大阪府立泉北考古資料館が泉北すえむら資料館となり、堺市の健全な運営がなされるのならば、立派な考古資料館であると思われれます。    

 すえむらは陶邑(すえむら)であって、『日本書紀』の「茅淳県陶邑(ちぬのあがたすえむら)」から名付けた呼び方だそうです。茅淳県は現在の泉北の地一帯のことで、陶邑は陶器(須恵器)を作る村と云うことです。
 古墳時代の中頃より500年にもわたって、日本最大の須恵器の生産地として存在した。400基余りの窯跡が発掘調査によって確認されている。
 第1展示室に陶邑の土器の変遷を、第2展示室には縄文時代から、弥生、古墳、奈良、平安など時代を追った当時の移り変わりを見せています。第3展示室には、重要文化財の展示と陶邑の歴史を展開したさ出土品の展示です。重要文化財は、第3展示場だけではなく、出土品の品名の説明板にピンク色の目印が付けられていて、沢山展示されています。
 展示物以外にも陶器を焼く村のジオラマによる説明があったり、出土した土器の破片に触れる体験型のコーナーなどもあります。

 金曜日の昼の時間帯の1時間くらいの滞在中に、来館者が私一人と云う状況でしたけれども、学芸員さんから茅淳県陶邑の様子などを説明していただく機会があったことをここに書いておきます。受付の担当の方にもいろいろお話をお聞きすることができました。堺市立泉北すえむら資料館になった今は、箱モノではないかもしれない。 

第一展示室 ケースに納められた展示品 部屋の中央の展示ケース
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