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大阪水道記念館 水道記念館は1914年から1986年まで大阪市の主力ポンプ場として活躍した「旧第1配水ポンプ場」を保存活用したもので赤煉瓦と御影石との調和が美しい景観を創りだしている建物です。水道記念館では、琵琶湖・淀川水系の淡水魚の展示、水道100年の歴史、暮らしと水道のかかわりなどについてわかりやすく紹介しています。(公式HPより)
所在地  大阪市東淀川区柴島1丁目3番1号             訪問日 平成21年11月15日(日)      地図 
アクセス 大阪駅前より市バス37・37C系統に乗車長柄橋北詰下車徒歩約8分
管理運営 株式会社大阪水道総合サービス 公式HP 
利用案内 9:30−16:30(入館は16:00まで) 毎週月曜および12月28日から1月4日休館  入館無料
 今までに訪問してきた博物館・科学館などという施設は、その目的のために建てられたいわゆる箱物と呼ぶべきものであったが、水道記念館は水道事業を記念しておくために水道事業で使用されきた施設を保存修復して見せているから、これを箱物と呼ぶべきかとちょっとためらいがある。しかし、存在意義と利用価値が適切なものでなければ、上屋の歴史的な背景は関係ないのではと思うのだが。
水道記念館全景 当施設を運営しているのは、大阪市が100%出資をしている株式会社大阪水道総合サービスという会社です。元々は、財団法人大阪市水道事業サービス協会という財団が改組された会社です。この水道記念館が、無料公開されていることは、利用する市民(他府県人も含めて)には有難いことであるけれども、利益を追求する会社としては、水道事業の広報のためであっても、無料公開できるわけがないではないか。

 施設の建物は、1914年(大正3年)から昭和61年まで大阪市の主力ポンプ場として活躍した「旧第1配水ポンプ場」を保存活用したもので、赤煉瓦と御影石との調和が美しい景観を創りだしている。奈良国立博物館などを建築した宗 兵蔵という人の設計で、現存する明治・大正建築として平成11年に国の有形文化財として指定登録を受けている。淡水魚飼育研究棟 この記念館は、琵琶湖・淀川水系の淡水魚の展示、水道100年の歴史、暮らしと水道のかかわりなどについてわかりやすく紹介しています。建物中央のエントランスを入るとすぐ左手に受付があって、「水の散歩道(WATER MUSEUM)水道記念館」というパンフレットが受け取れます。

 展示は主に小中学生が楽しめるようなものになっています。琵琶湖・淀川水系に生息する淡水魚と自然を、個別の水槽とちょっと大きめの水槽を使って見せています。パネルを使った市の水道事業の歴史を展示するコーナーや、水道の仕組みを取水から順を追って、模型を使って見せていたり、地下送水館を実物で展示しているところなど、成人が水道の仕組みを理解するのにも役立ちます。
 江戸時代の庶民の暮らしを、当時の長屋を再現して紹介しているコーナーは、庶民にとって水道がなくてはならないものという再確認させる興味のある展示もあります。

 この建物の裏に回ったところに別棟の「淡水魚飼育研究棟」があり、ここでも琵琶湖・淀川水系の淡水魚、貝類、水草など、約190種飼育研究している。もちろんここにも入場できます。

 水道記念館本館に至るアプローチ部分には、ベンチ、藤棚などもあって、近所を散策しながらこの庭でお昼のお弁当を広げている姿も見受けられました。

 大阪市水道局のサイトに、2012年4月1日付で以下のような案内が出て、休館中になっている。

※水道記念館につきましては、本市における施策・事業の見直しの一環として、費用対効果などの観点からの精査を行なうため、4月1日から一時休館しています。(※当分の間)。ご不便をおかけしますが、ご理解をお願いします。

市政改革で魚の展示打ち切り…大阪市水道記念館 2013年2月1日 読売新聞記事
  天然記念物のイタセンパラ(絶滅危惧種)などの貴重な淡水魚や水生生物を飼育・展示してきた大阪市水道記念館(東淀川区)について、市水道局は、橋下徹市長の市政改革の一環として魚など生物の展示は打ち切り、水道事業のPR施設に改変する方針を決めた。存続を求めていた市民団体と31日に行った面談で明らかにした。(中略)
 生物の展示費は年間約3000万円で、12年度の予算編成時に財政局が広報費削減を指示。魚の飼育については、橋下市長が「水道局のやることなのか」と疑問を示した。水道局は昨年4月から一時休館し、運営方針を検討してきた。(後略)

記念館入口 本館は登録有形文化財 緩速ろ過池の節制井上屋
パノラマ水槽 淡水魚飼育研究棟内部 江戸時代の水事情
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