ここに紹介する階段国道は、青森県弘前市を起点として、東津軽郡外ヶ浜町に至る総延長108.4kmの国道339号線の一部である。終点部分に近い東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜にある。338.2m、362段からなる。
三厩駅前から乗車したバスは339号線を津軽半島の東海岸沿いを走り、半島のほぼ突端にある龍飛漁港まで行く。ここが、階段国道の上り口にあたるところで、旅行者のうちの何人かが下車して行った。階段を下って歩く方が楽なこともあって、多くの人はここで下車しないで、終点の龍飛崎灯台まで乗車する。
龍飛漁港から龍飛崎灯台までは、今来た339号線を少し戻って、階段国道の区間をショートカットするように付けられた自動車道を経由して昇ってゆく。途中には「青函トンネル記念館」があり、大事業の足跡や完成に導いた人々の最高の技術とその偉業を伝えるメモリアル施設です。今回の旅は、階段国道の訪問だけを予定していたために、記念館を覗いて見る時間を予定していなかった。内部を観覧できなかった事は残念です。
終点の龍飛崎灯台バス停で下車して、急いで龍飛崎灯台だけ立ち寄り、龍飛崎の突端の展望台からの津軽海峡を眺めるだけにしました。時折吹きつける強風に体を揺さぶられるようです。でも、今日の風はまだ穏やかなんだと土地の方お話です。
帰りのバスの時刻を気にしながら階段国道の降り口に急ぎます。大きな立て看板に「階段国道」と描いて矢印表示がしてありますので、階段の降り口は直ぐにわかります。階段国道を含む付近の案内図と階段国道のちょっとしたデータが書かれた説明板が降り口のそばにあります。
階段(国道)のステップは緩やかで、公園などでよく見かける、コンクリート製の丸太を模して造られた手摺りが真中に付いています。国道というよりも遊歩道の感じです。途中には休憩をするために、また記念写真を撮るための配慮がされています。まさに観光のための国道です。階段の先には白く泡立った龍飛漁港が見降ろせます。
階段は、右に左に折れながら下ってゆきます。階段脇に自転車用のスロープが付いている、真中には手すりがある事で、階段の幅は上り下りとも人が一人歩けるくらいの幅しかありません。
階段は途中に九十九折れしている箇所もあります。いわゆるヘアピンカーブという状態です。下ってゆくに従って民家の横、前をすり抜けて行くように道が続いています。最後には階段がスロープに代わっています。道を90度に二三度折れると、車が通れる道にたどり着きます。
バス停のある龍飛漁港から国道を歩いて次のバス停付近まで行きますと、「龍飛館」と名前の付いた観光案内所があります。ここは、奥谷旅館という名の旅館をしていたところで、太宰治の泊まったことのある旅館です。案内所の道路を挟んだ海側に太宰治文学碑が建てられています。案内所は当時の旅館のそのままの形で残っていました。
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