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重伝建選定 1977/05/18

銅山とベンガラの町 吹屋

岡山県高梁市成羽町吹屋  JR伯備備中高梁駅下車備北バスで約1時間  2007年1月14日(日)訪問

吹屋の町並み(中町) 山間の細い県道を走る路線バスに乗って、JR備中高梁駅からほぼ1時間の道のり、ここに、江戸から明治にかけて栄えた町がある。ベンガラの生産地として、そしてそこに集まる人と荷物、町から運ばれてゆく生産品であるベンガラ、これらの交易のために、山深い土地に一大商業都市が出来た。ベンガラの製造は昭和49年まで続いたといわれている。これは、この町の振興と最もつながりのある銅山の閉鎖から2〜3年のことである。
 町並みには、ベンガラ(弁柄と漢字を当てる)の窯元を営んでいた家、この町に集まる旅びとを宿泊させた宿、町の消費経済を担う各商家など、今も、当時の町家の名残を出来るだけとどめるように保存されている。ベンガラを家屋の建築にふんだんに生かし、柱にも壁そのほかにも利用していて、独特の赤っぽい色彩の町並みが印象的です。

 国道180号線から県道の85号線に入り、やっとバス一台が通れるようなくねくねした道を進む。中野口バス停の傍に吹屋案内所の建物がある。ここでバスを降りて家並みの続く道を歩く。距離にして300〜400m位なのであろうか、両側に復元修復された町家が国の指定を受けて保存されている。窯元のうちの1軒であった旧片山家(平入りの家屋)旧片山家、その分家である家屋(郷土館)は内部の拝観ができる。当時隆盛を今に伝える立派な建物であり、室内の設えである。柱は煤と混ぜ合わせたベンガラが、建ててから塗りこめるのではなく、材料としての柱のうちに塗りこめてあるとの事でした。ベンガラの赤と煤の色が渋い黒味を帯びた深い色合いを持っています。旧片山家は間口10軒の平入りの家屋で、奥行きは40軒(裏のベンガラ製造上も含めて)とのことでした。分家の郷土館の方は妻入りの入母屋造りで、間口は5軒ということでしたが、通り庭が裏まで続き、宮大工の手になる建物には、隠れ部屋、隠し戸棚、釣り戸棚、からくり戸などもあります。
笹畝坑道案内 吹屋の町並みから3kmほど離れたところには、やはりベンガラ窯元として栄えた広兼邸という城のような石垣を持つ家があります。正しく石垣は扇の勾配を持っていて、本格的なものです。映画「八つ墓村」のロケ地になったところです。バス停の中野口から45分かかりました。途中、ベンガラ館、笹畝坑道などがあります。見学の時間を見積もって2広兼邸 城郭のような石垣時間30分を予定して是非行ってみたい所です。
 吹屋には古い校舎の小学校も残っていて、是非見ておきたいところです。1900年に建てられたという校舎が今も現役として残っている。吹屋小学校(裸の大将のロケ地)ここは、山下清画伯の放浪記を映画化した裸の大将のロケ地でもあります。

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