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重伝建選定 2004/07/06

「湯治の湯」の面影を今に伝える 温泉津温泉

島根県大田市  JR山陰本線温泉津駅  2007年9月2日(日)訪問

庄屋屋敷表と裏道酒造元 「開春」 先ごろ世界文化遺産に指定された石見銀山から近いこともあり、この、温泉津温泉が観光地として見直されている。温泉津駅から温泉街まではバスで5分くらいと案内が出ているが、バスの時刻など気にしないでゆっくりと歩けばよい。温泉街に至るまでにも、古い構えの造り酒屋「開春」や二階の壁に鏝絵の細工が残る商家など見られる。温泉街入口にはゆう・ゆう館という資料館が建っています。温泉街の入口付近には、庄屋屋敷と呼ばれる内藤家住宅があり、重厚な土蔵造りとなまこ壁が江戸時代後期の商家の特徴を今に伝えています。

温泉津の町並み 温泉街に入ると旅館、みやげ物を扱う店、元湯などの外湯の建物が並びます。あるものは昭和初期のモダンな洋風建物であったり、もう少し遡ると思われる木造建築であったり、中には更に古くからの建物の形式をとどめている建物が渾然一体となって並んでいます。そこには懐かしさと親しみとを感じます。銀山温泉(山形)の統一感のある大正ロマンを髣髴とさせる洗練されたものはありませんが、日本人の心に響く何かを感じます。

薬師湯長命館木造3階建て元湯泉薬湯と薬師湯
 1300年の歴史を持っている温泉津温泉の元湯が泉薬湯と呼ばれていて、薬師湯の方は1872年の浜田地震で湧出し始めた比較的新しい源泉です。元湯泉薬湯を管理している長命館(旅館)は昔からの湯治旅館で3階建ての築100年を数える建物が今まだ営業しています。この旅館の外湯が元湯泉薬湯で建物は特徴的なものではない、むしろ、薬師湯の建物はレトロチックな雰囲気を持っている。

商家の鏝絵安楽寺の鏝絵鏝絵
 この町で鏝絵を見つけました。写真に撮っていると、「他にもありますよ」と親切に教えていただきました。あと2箇所あるとのことでしたが、そのうちの1箇所を確認できませんでした。教えていただいた鏝絵は1889年(明治22年)安楽寺と言う浄土真宗のお寺の本堂が再建されたとき,地元の左官,山本庄吉さんによって作られたものだそうです。本堂の破風に描かれた龍は一寸した芸術品です。

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