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在 原 在り原業平が晩年を過ごしたと伝えられる。
町並み分類:山村集落
滋賀県高島市マキノ町在原                        2010年03月15日(月)訪問        地図
JR湖西線マキノ駅下車、湖国バスで在原バス停下車。 
在原集落 駅前のバス停に到着したバスは、旅館の送迎に使われるような、乗客を10人も載せると満員になるような小型のものです。今日訪問する在原の町へのほぼ専用のようなバスです。乗客は私の他は、村に帰られる地元の方と、写真を撮りに来たと思われるひと組のカップルだけです。
 途中の停留所の停まることもなく、ひたすら走って約25分で在原に着く。料金は走行距離とは関係なく、特別に設定されていて220円。運転手さんの話では、正規料金では700円ほどになるということでした。

 在原は福井県の県境にほど近いところにある。標高は380mくらいですとは、地元の方に聞いた話ですが、周りを500m級の山に囲まれた盆地になっていて、結構雪の深いところのようです。部落に近づくにつれて、山の影、樹木の影になっている所には雪が薄く残っていました。除雪して積み上げた雪は解けることなくうず高く残されてもいます。

 茅葺民家が残されている里という事が知れるようになってからは、心ない訪問者が増えて、地元では対応に苦慮している様子です。あちこちに、注意を呼び掛ける表示がしてあります。これから訪問される方は十分に配慮されんことを願うところです。

在原集落 在原地区は東西に300m、南北に250m位のところに60〜70戸くらいの民家がある小さな規模の集落です。訪れる観光客のために公衆トイレを準備した手打ちそばの店が一軒ありました。私が訪問した日は営業していなかったが、コーヒーの頂ける店もありました。でも、まだまだ、観光化していないひっそりとした農村集落です。
 ところで、在原の名前に由来ですが、平安の歌人で36歌仙でもある在原業平が晩年を過ごしたところと云うことから出たとも伝えられています。部落の外れには在原業平の墓地もあります。
 茅葺屋根の材料にはススキを使って葺くそうです。最近は、その材料の調達と、職人の不足などから瓦葺、トタン葺に変わってゆく家が増えてきて、ここ在原でも茅葺でない家屋、廃屋になっているものが目立ってきています。
 瓦屋根に変えたお家の方にお話しをお聞きしました。屋根の下にはそっくりそのままで茅葺屋根を保存して、その上に瓦屋根を架けているそうです。通気性を良くして茅葺屋根が朽ちないようにしてあるようです。瓦屋根は雪が30cmも積もると屋根からずり落ちてくるので、毎朝の除雪が大変になりましたとのことです。 

伊香造り
 ここ在原の屋根の形式は、伊香造りと呼ばれています。入母屋屋根の破風の上の部分に前垂れ飾りをつけています。建物は妻入りとなっています。
 雪よけのためにカヤを外壁に立てかけて家屋を防御しているのも特徴的です。最近の新建材のカラー塩ビ波板やトタンなどでこれに変えているのも目立ちます。 

家の周りにカヤを立てた雪囲い 入母屋破風に「水」の文字(部分拡大) 茅葺家屋
トタン屋根で覆われている 蔵を持つ家も多い 宿屋として営業している
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