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生野町 銀山で栄えた町           兵庫県歴史的景観形成地区
町並み分類:鉱山町城下町
文化財:旧松一醤油店・佐藤家住宅別邸・今井邸他(登録有形文化財)
公開施設:生野まちつくり工房井筒屋・生野書院(共に無料)
兵庫県朝来市生野町口銀谷                          2009年12月16日(水)訪問    地図
JR播但線生野駅下車、駅前から町並みが始まる。
本町通りの町並み  生野の町並み散策は駅前から始まる。駅舎を出ると、すぐ目の前に歴史を感じる3階建ての建物が目に飛び込んできた。一部3階建ての旧日下旅館です。明治43年に建てられて、3階部分は大正10年に増築されたものです。現在は旅館はやっていませんが、1階の一部が食堂になっています。国の登録有形文化財に指定されています。
 すぐ先の交差点を左に折れると、もうそこには歴史的な建物が並んでいます。石川醤油店が今もその業務を続けていました。醤油蔵と母屋が建っています。母屋は明治後期、醤油蔵は大正期のものと説明があります。井筒屋(登録有形文化財)前の通り

 生野町の中心部に歩を進めると、交差点の角に生野の資料を集めて公開している生野書院があります。生野書院から東側一体に生野の歴史的景観を残す建物が残されています。
 家並みの連続性、建物の密度からしてなかなかに見所のある町です。

 生野町は鉱山の町として発展した町でもあって、これに関連した建物、遺構が見られることにおいても、他の町並みとは一味違った散策が楽しめます。
 銀や銅の精錬過程で出てくる鉱石の残渣を固めて作ったカラミ石、これを使った建物の塀や石垣が見られます。また鉱石を山から運び出してきたトロッコ道が、町中を流れる市川に残っています。
 旧家の中には、山師の邸宅も何軒か残されています。生野の全盛期に迎賓館として、内外の賓客をもてなしたという生野クラブは、そんな山師宅の一軒です。
 この町には郷宿が6軒あったといいます、そのうちの1軒吉川家が営んでいた井筒屋は、生野まちづくり工房として公開されています。    

 この町には、国の登録有形文化財が沢山あります。最初に説明した旧日下旅館のほかに、旧松一醤油店、佐藤家住宅別邸、今井邸、綾部家住宅、桑田家住宅、旧海崎医院等があります。生野まちつくり工房井筒屋の旧吉川家住宅も登録有形文化財です。

 旧松一醤油(松本家住宅)
 松本家住宅は、棟の低い北側が切妻造・平入で明治初期に建てられ、南側の寄棟造・妻入が大正期に増築された。ともに2階の壁を塗籠めた重厚な外観である。窓廻りや出桁造の軒先廻りには年代差がみられ、特に、増築された建物の2階の軒蛇腹が特徴的です。

 今井邸
 2階屋根は、北側を切妻とし、南側を入母屋としてかけられています。玄関側の西側には下屋が付けられた造りになっています。屋根は桟瓦で葺いてある。外壁が白漆喰塗込めであるが、西面は越板張り、写真には写ってないが南面は、押縁下見板張りとしてあります。

 今回の生野訪問では行きませんでしたが、生野銀山廃鉱跡を訪ねるのも良いと思う。JR生野駅から神姫グリーンバスが運行されていて、乗車約10分くらいで行けるところです。

2階の意匠が凝らされた8角形の虫籠窓 背の高いほうの建物は大正期に増築された。
石川醤油店 生野書院 旧松一醤油店(登録有形文化財)
江戸後期の町屋の佇まいを良く残している。
佐藤家住宅別邸(登録有形文化財) 旧地役人邸宅(桑田邸) 旧生野警察署
今井邸(登録有形文化財) 生野クラブ 楠邸
鍛冶屋町通りの家並み 姫宮橋から見たトロッコ道 カラミ石の石垣(西福寺)
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