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筒 石 木造3階建てが立ち並ぶ町並み
町並み分類:漁村集落 
新潟県糸魚川市筒石                             2010年7月21日(水)訪問       地図
JR北陸本線筒石駅下車、徒歩約10分
 筒石駅から筒石の集落へは、約800mの道のりで、専ら下って海の方に降りてゆく道になっている。昭和44年までは北陸本線が海岸そばを走っていた。町はその海寄りに開けていて、海からの強い風を受けていた。今は、国道8号線も拡幅されて、海から少し隔てられたように町が存在する。

筒石橋から西側を見た 漁村集落にありがちな入り組んだ細い路地はほとんどなくて、東西に約500m位の一本の道の両側に、犇めくように建物が並んでいる。狭小な土地を有効に利用するために、多くの建物が3階建てになっている。建物の外壁は、海からの風の対策のために、板張りとなっているものが多い。新建材の普及が、この街並みにもいろどりをそえてきているけれども、何時までも、鄙びた板張りの町並みが残ってほしいものです。
 筒石の、もう一つ特徴的なことは、水場と云うのか流しが家の玄関先の道に面した所に設えてあることで、街路も共通の生活空間を呈している。

 3階建ての建物が存在する町は、瀬戸内海に浮かぶ大崎上島の木江にも見られる。この町では、細格子や欄間の細工など、凝った作りの、客を相手にする建物が見られるが、筒石の町は、生活の場としての民家が、3階建ての町を形成しているところに、木江とは違うものがある。船屋の後ろはすぐ国道が走る
 筒石の集落の東側に、海に面して船屋が残っています。現在は、集落の西側に、立派な護岸壁を持つ漁港があって、共同の荷捌き所の建物が整備されているけれども、今は、もう使われることが少なくなったかもしれないが、船屋が立ち並ぶさまは、筒石の町が漁業で成り立っている町であることのしるしである。    

 船屋には、小型漁船が格納されているものがある。今は、ここから船を出すことはなくなったけれども、2階を倉庫として利用していると、浜におられた方にお聞きしました。船屋のすぐ後は、拡幅された国道8号になっていました。

 船屋のある町並みで有名な、京都の伊根漁港の場合は、船屋からすぐ船が出せるように、すでに、船屋の足元が海につかっているけれども、ここ、筒石の船屋は、海岸の上に作られている。船屋の風情においてはまた違った景観を持っている。

 伊根・筒石のほか、舟屋が見られるところは、島根県隠岐の島町都万・福井県美浜町日向などそれ程多くはない。機会があれば訪問したいところである。

東西に続く街路 板張り家屋も残っている この道が300mくらい続く
街路に面して流しが作ってある 集落の東はずれに船屋がある 船屋の2階は8号線のそば
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