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重伝建選定 1981/11/30

石塁と生垣の武家屋敷群 知覧町

鹿児島県南九州市知覧町  JR指宿枕崎線喜入駅からバス約30分  2008年5月18日(日)訪問

石塁と生垣石塁と生垣
 江戸時代、薩摩藩は領地を外城と呼ばれる113の地区に分け、そこに麓と呼ばれる武家集落を作った。知覧はその麓の典型的な形として残されている。折れ曲がった本馬場通り(旧鹿児島街道)に沿って、石垣と生垣が築かれている。
 本馬場と呼ばれるメインの道は、標高500m余の「母が岳」を借景として「山あて」という我国独特の山に向って拓かれた道となっている。およそ700mの道の両側に、1mくらいの高さの石塁を築き、高生垣を施して外部からの侵入を防いでいる。この石塁とイヌマキの大刈り込みの生垣が知覧の武家屋敷群の特徴です。

通りと建物の防御
屏風岩 通りそは遠見遮断のために、緩くカーブしていたり、T字型、L型に曲げられ、戦略的な仕掛けがなされている。これらの仕掛けは多くの宿場町で見られる桝形、富田林の商家町に見られるあて曲げの道と同じ趣旨のものです。
 一方、門を潜って屋敷に入ると、その奥の突き当たりに屏風を立てたような塀(屏風岩)があり、城の桝形のような造りとしてある。これも、外敵防御の一つの仕掛けである。石塁、屏風岩などは琉球の様式に影響を受けている。

池泉式庭園

建物と庭園
 一歩、屋敷の敷地に入ると、刈り込み、奇岩などを組み合わせ、母が岳を借景とした作庭がある。屋敷の構えとこの庭の組み合わせは、まさしく文武両道を兼ねたものとなっています。ここ、武家屋敷保存地区では7つの庭園が国の名勝に指定されている。その内の森重堅氏庭園が池を巡らせた池泉式で、他の6つの庭園は枯山水式の庭園になっている。
 建物には、薩摩半島の南部に見られる二つ家と云われる知覧独特の民家がある。これは主屋(おもて)と付属屋(なかえ)を小さな棟でつないだL型をしている。高城庵として食事処としている建物と保存地区の真ん中辺りにも一軒の二つ屋がよくその形態を残しています


二つ屋

二つ屋の説明

緩くカーブしている

L字型に折れる

門の中の枡形

男玄関と女玄関

高城庵

母が岳を借景にした山あての道

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