ここには、写真と探訪の記録が十分ではないけれども、「全国芝居小屋巡り」に加えておきたいものをまとめて紹介しています。個別のページを作って紹介したものにも負けないくらいの歴史を持っているものがあります。また芝居小屋の設備を持たないまでも、今も興行をしている映画館、最近まで興行を続けていたという歴史のあるところも紹介します。 |
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壬生寺大念仏堂 | 千歳座 | 貞光劇場 | 花園館 | 萬代館 | |||||
所在地:京都市中京区 07.04.28訪問 地図 | |||||||||
市バス28系統壬生寺道下車1分 | |||||||||
安政3年(1856年)に再建されたもので、1955年に国の重要文化財に指定されている建物です。壬生寺の境内にあって、壬生大念佛狂言の舞台として使われる。 能舞台と同じように鏡の間や橋掛りをもっている。綱渡りの芸をする「獣台」や鬼などが飛び込んで消える「飛び込み」などの装置をもっているところは他には例がなく、極めて特殊な舞台になっている。
年間の公演は次のようになっている。 春の壬生大念仏公演を見てきたので、その記事も併せて公開しています。 |
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所在地:丸亀市本島町泊 07/12/19訪問 地図 | |||||||||
JR丸亀駅から徒歩5分の丸亀港から本島汽船35分、泊港より徒歩5分 | |||||||||
文久2年(1862年)に建てられ、平成元年に修復工事がなされた歴史的に貴重な建物。丸亀市の指定文化財。木烏神社の境内の本殿横に建っている。入母屋造り本瓦葺の建物で、間口17.6m奥行8.4mある。建物の正面の板戸を上げて、下部の「ぶちょう」と呼ばれる板戸を前に倒して前に引き出せば舞台となる。普段はこの建物の内部を見ることは出来ない。 観覧席は設けられていないので、境内が観覧席になる。舞台の装置として、回り舞台、奈落、ブドウ棚、ちょぼ床などを持った芝居小屋として遜色ないものだそうです。 江戸時代には、庶民が遊芸を楽しむことは良い事ではないとされていたため、納屋という名目で建て、観覧席を設けずに普段は正面を閉ざしておく造りにしたようです。 |
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徳島県美馬郡つるぎ町貞光 地図 | |||||||||
JR徳島線貞光駅下車徒歩約6分 | |||||||||
駅前の道を左に折れて5分くらい歩いたところにある。道路に面した所に劇場敷地に入って行く門のようなものが建っていて、劇場そのものは道路から後ろに下がって建っている。門の横の掲示板には、興行中の映画のポスターが貼ってある。 昭和7年の開業以来、今も上映が続けられています。建物の外観は当時の様子を良く残しているということです。 今は、娯楽専門のポルノ映画が上演されている様子でした。門の下の貼り紙には昼1時から夜10時までの営業である旨の表示があります。 門を入った所は、ちょっとした駐車スペースのために使うのだろうか空き地になっています。この日は2台の車が停まっていました。 チケット売り場に人気がなかったので、中の様子を見せてもらうように声をかけることができなかったから、一歩建物の中に入って様子をうかがうと、映画の音声が漏れ聞こえていて上映中である様子でした。映写室なのでしょうか、映写機と思われる機械の一部が見えました。 上の壁を見ると、映画の広告画と映画スターの顔写真を額装にした古いものが、何枚か掛けられています。映画が全盛を極めていたころのスターの写真がそのまま残されている感じです。古い広告画と写真を眺めていると、時間が逆戻りしたような錯覚に襲われる。
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秋田県鹿角市小坂町小坂鉱山尾樽部1−1 09/09/10訪問 地図 | |||||||||
JR花輪線十和田南駅から秋北バスで小坂小学校下車 | |||||||||
明治37年(1904年)の創業といわれています。この町(秋田県鹿角郡小坂町)にある康楽館よりその歴史が1年古い建物ということになります。 現在の建物は、昭和12年(1937年)に建て換えられたもので、その後、改築の手を加えられながらも昭和初期の面影を残しています。今も現役の映画館として、常時の営業をしています。 映画館になる前には、小坂町で働く鉱山労働者のための商品を商う店舗の集合体で市場のような役割をしていました。これは映画館のご主人からお聞きしたお話です。 玄関の上部を大屋根から突き出した造りとし、その前面に意匠を凝らしたレリーフが付けられています。建物の1階部分が新建材で改装されているところは少し残念ですが、いつまでも保存して、後世に伝えてほしいものです。 |
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所在地:岩手県二戸郡一戸町一戸字本町49 11/09/02訪問 地図 | |||||||||
IGRいわて銀河鉄道一戸駅下車、徒歩約10分 | |||||||||
萬代館の歴史は、明治42年(1909年)に始まる。この年に、人形芝居小屋として蔵を改造して創業している。大正時代になって電気が通じるようになり、映画の上映も始まった。
現在の建物は、昭和31年(1956年)に竣工したもので、平成20年3月に持ち主の山火家より一戸町に寄贈され、改修工事が行なわれて、同年の12月に竣工した。これ以降、常設の映画館から町営のイベント用施設に転用されて、現在に至っている。 入口を入った右側の一角に仕切りをこしらえて、往年の映写機が2台展示されています。年季の入った、しかししっかりした造りの黒光りする本体は、いかにも堂々として威厳ある姿をしています。昭和31年製のフジセントラル製のカーボンアーク式映写機だそうです。 一階席は、前半分くらいの座席が取り払われて、イベント時の広場を確保していました。2階にも座席があります。映写室には、別の映写機がセットされていましたから、これから行なわれる映画鑑賞会に対応するための、最近の機種に換えたものと思われます。 |
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退役したカーボンアーク式映写機 | 一階席と舞台の様子 | 映写室には現役の映写機が | |||||||