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主水門:バイザー型水門(B=66.7m/H11.9m 敷居高さ O.P.-4.5m 有効径間 57m
副水門:スイングゲート型(B=17.1m/H11.55m 敷居高さ O.P.-4.0m 有効径間 15m
安治川河口に設置・昭和45年(1970年)3月完成
所在地 大阪市港区弁天6丁目3−13                    訪問日 '10/05/17(月)         地図
JR大阪環状線弁天町駅下車、徒歩約13分
 定期試運転の日に訪問してきました。弁天町駅から国道43号線の高架下を北の方に歩く。安治川の護岸壁の手前を左に行くと、大きなアーチ状の水門 が見える。6〜7階建ての管理棟よりまだ少し高いくらいの半円形の水門がそびえている。その幅が66.7mあって、更に右岸側には副水門の17.2mのゲートが付いている。
 この種のアーチ形水門はバイザー型水門と呼ばれるもので、この水門を上流側に横倒しにして、安治川河口をせき止める。バイザーは日除け用のサン・バイザーを思い出していただくと理解できます。

安治川アーチ型水門 作動試運転は13時30分から始まって、再び水門が開けられるのが16時30分というスケジュールになっている。ゲートが作動してから川をせき止めるまでの所要時間が30分かかる。ゲートを作動させるまでの準備に約15分を要するので、完全に川をせき止めるまでには45分くらいかかる。
 定刻にスピーカーを通して、水門の稼働試験の放送が流れる。このあと、警笛を鳴らして、航行する船の安全の確保が行われる。スピーカからは時折、準備の進捗の確認放送が流れる。
 河口側へ、一隻の監視用船舶が出てゆき、侵入する船舶を規制するために、所定位置に赤旗を掲げて停船している。更に、川底に設置されている鎖を巻きあげて川幅全体に防御を張る。
安治川水門門標 船舶の航行の規制が整うと、やっとゲートが作動を始めます。ここまでに約15分くらいかかります。管理棟の最上階に運転室があるようです。ワイヤーがゆっくりと繰り出されてゆくと、上流部に向かってゲートが下がってゆきます。分速にして20〜30cmくらいなのでしょうあ、ゆっくりゆっくりと前に倒れてきます。
 管理棟のない右岸部にも係員が監視するための建物があって、ここからも安全の確保をします。全員で10名くらいがこの作業を担当しているのでしょうか、あわただしさの中にも、緊張感が伝わります。

 主水門の締め切りの後行程の作業を見てこなかったけれども、この後、副水門が締め切られるのでしょうか。事前に放水銃の点検をしていたところを見ると、引き上げてゆくときに、水につかったゲートに放水して、ヘドロなどを洗い落とす作業があるのだと思われます。

 バイザー型水門は設置されている例が少ないということです。珍しい型の水門です。その水門が大阪市内には、なんと3か所もあって、ここ安治川水門のほかに、尻無川水門、木津川水門に見られます。探訪記事は追って書く予定です。 

管理棟と水門のゲート 45度ほど倒れてきたところ 安治川大橋から見ている(拡大写真)
ゲートの向うに監視船が見える ほぼ着水した 完全に締め切られた
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