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天王寺七坂
大阪市天王寺区夕陽丘町・下寺町・伶人町                   2006.11.3訪問           地図 
 「天王寺七坂」は、北から順に「真言坂(しんごんざか)」・「源聖寺坂(げんしょうじざか)」・「口縄坂(くちなわざか)」・「愛染坂(あいぜんざか)」・「清水坂(きよみずざか)」・「天神坂(てんじんざか)」・「逢坂(おうさか)」の7つを指して言う。大阪の中心部を走る上町台地を西に下って降り切ったところは松屋町筋になっている。
 この、7つの坂のうちで、源聖寺坂と口縄坂の一部及び清水坂が階段状を呈している。 
源聖寺坂源聖寺坂登り口(左のお寺が源聖寺)
  生玉神社の南側、齢延寺と銀山寺の間の道を少し入ったところ、ちょうど齢延寺と銀山寺の門の前の辺りから、松屋町筋にかけて坂道がある。実は、この坂の全部が坂道ではなくて、坂の下り始めから50m位先から階段になっている。階段は途中の坂道の全体の4割くらいを占めていて、もう一度坂道に姿を変えて松屋町筋に至る。 この坂を下りきった北角に源聖寺がある。坂の名前はそこから来ている。反対側の南側角は金台寺というお寺で、大阪33か所観音霊場の28番札所を示す石柱が立っていました。源聖寺坂は都合4つのお寺に取り囲まれた中にあります。
 階段の段数を数えてみたら110段あった。幅は4mくらいあり、両脇は雨水を流す浅い排水溝が造ってあるから、その脇にお寺の土塀が連なっていても圧迫感がない。下りながら塀の中の寺の境内の墓所がみてとれるくらいの、それほど背の高くない土塀である。元々それほどに段差のある階段ではないが、階段とも坂道とも区別がつかないくらいにステップが緩やかになって坂道を少し下って大通りに出る。

 源聖寺坂も一部階段になっていることを知り、あらためて訪問(2010.2.9)してきました。
銀山寺横に立っている坂の説明板 坂道が始まる。左 銀山寺・右 齢延寺 ここから階段になっている
銀山寺横に立っている坂の説明板 坂道が始まる。左 銀山寺・右 齢延寺 ここから階段になっている
階段を降り切ったところから上を見た ここで階段がカーブしている 階段途中から松屋町方向を見た
階段を降り切ったところから上を見た ここで階段がカーブしている 階段途中から松屋町筋方向を見た
口縄坂降り口付近口縄坂
 大阪市営地下鉄谷町線の四天王寺夕陽丘駅で下車、十三まいりで有名な太平寺の横の道を西へ入る。150〜160m行った珊瑚寺の門の前から坂道(実は階段)が始まる。階段の降り口には織田作之助の文学碑があり、坂の名前の由来を説明する立て札が立っている。口縄坂の階段登り口付近
 階段の途中14段目から夕陽丘町と下寺町に分かれる。ここを境にして珊瑚寺と善能寺の土塀にわかれている。階段を降りきってそのまま坂道が続き松屋町筋に出る。松屋町筋の坂の上り口に稱名寺があって、ここに口縄坂の石柱がある。ここにもまた坂の名の由来を示す立て札がある。
 口縄坂の階段の部分は70m程あって、坂道もそれと同じくらいの長さがある。階段脇に雨水の通水路が取ってあり、左側の土塀から反対側の石垣までの距離は3mを越えるゆったりした幅を保っている。1段ずつの段差も少ないので、階段を感じない程度の坂道を思わせる。
 坂道は観光のスポットでもあるので、通行する人にカメラを手にした人が目立つ。若き日の織田作之助が逍遙した頃の大阪の町の佇まいが今も感じ取れるような気がした。階段は坂道に姿を変えて緩やかに下った先に善能寺山門がある。すぐ先に、松屋町筋があって都会の喧騒が戻ってくる。
織田作之助文学碑 口縄坂の謂われ 松屋町筋にある口縄坂の石柱
階段の途中で町名が変わる 善能寺山門 清水坂の由緒
清水坂登り口清水坂
 これも天王寺七坂の一つの坂であり実際は緩やかな階段坂になっている。位置的には先の口縄坂より南約400mくらいのところにある、その途中に愛染坂(これはまったくの坂道)がある。清水坂(実は全行程が石段)は清水寺の北側を登って清水寺にいたる階段で、名前の由来もそのようになっている。清水坂を上から見た
 階段の水平距離は口縄坂の半分くらいでおよそ65mくらいしかない。階段左側をスロープとして、自転車を押して上がるための配慮がしてある。坂の上り口に清水坂の石柱が立っている。その手前坂にかかる道に清水坂を説明する立て札が立っている。坂の幅は口縄坂よりも広く、全行程がその半分くらいであることもあって、開けた明るさがある。
 階段部分の幅は最初3.5mくらいあるが、徐々に幅を狭くしてゆき、ほぼ半分を上ったところは2.7mくらいになって上まで続いてゆく。全体にゆっくりした階段で、一段ずつの高さが8cmくらいしかない、1.1mくらいもある踏み面が続き、途中更にゆっくりとした踊り場状の箇所が、下から15段目と30段目に設けてある。階段全体は少し左へ曲がって上っている。 
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