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有 松 有松絞りと卯建の町  名古屋町並み保存地区
町並み分類:在郷町・間宿
文化財:服部邸(県指定有形文化財)・竹田・岡・小塚3邸(市指定有形文化財)
公開施設:有松山車会館(有料)・有松・鳴海絞会館(無料)
名古屋市緑区有松町                               2007年8月27日(月)訪問      地図
名古屋鉄道本線有松駅
 うだつ(卯建)の町としては、美濃市、美馬市脇町など良く知れるところではあるが、探して見ればそれはあちこちにある。それも当然のことで、古くから日本の家屋が木造であった事と、火災からの被災防止のためもあって、必然的な発生を見たものと思わる。
服部邸前の有松の町並み これら家屋が塗込め造りとなっていることもまた同じ理由からである。他にも色々と、その対策が施されているが、そのことについては機会があればあらためて書いてみたいと思います。

 ここ、有松は東海道の39番目の池鯉鮒宿と40番目の鳴海宿との間に合宿(あいのしゅく)として開かれた町です。町の発展のために尾張藩の奨励によって絞り染が考案され、今もその技術が生きている町です。当時の、絞り染を扱っていた問屋が往時の姿をとどめていて、古い格式の建物が多く残されています。今日は、そんな町並を旧の東海道を歩きます。

 JR名古屋駅で名古屋鉄道の本線に乗って有松駅で下車する。名古屋市の緑区に位置しています。駅を降りると「有松めぐり」の看板が目に付きます。町歩きの地図(有松イラストマップ)は有松・鳴海絞会館でもらえます。駅の改札では簡単なコース図がいただけます。案内看板の示すように駅から道路に下りて、線路から遠ざかる方向(ほぼ南)に50mも歩くと旧の東海道に出ます。左に折れて歩くもよし、右にとって歩いてもよい。どちらに歩いても全行程は800mくらいの範囲内に見るべきものが収まっています。    

有松しぼり
 街道筋を歩くとやたらと有松しぼりの暖簾がかかっています。有松・鳴海絞会館ではおみやげ物が買えるほか、2階では資料の展示・実演を見ることが出来ます。会館の横の駐車場の奥には、この有松宿を開拓し、有松絞りの名を全国に広めた竹田庄九朗を称えた碑が立っていました。

有松山車会館
 有松でのもう1つの見所は、からくり人形を乗せた山車が3基保存されていて、そのうちの1基については、有松山車会館で見ることが出来る事です。秋の祭り(10月第一日曜日)には、東町、中町、西町の旧東海道に3基が揃って引き回されると言うことです。3基のうち最も古くから残っている布袋車は1675年には既に祭りの記録の中に記述があるという年代物だそうです。訪問した日は布袋車が展示されていました。

服部邸
 政の頃の建造といわれています。200年も前の往時の面影をとどめています。いまも、井桁屋という屋号で絞商品の卸・小売業を営んでいます。屋根には卯建が上っています。主屋は塗籠造で2階部分は虫籠窓になっています。主屋に並んで蔵が通りに面して立っています。蔵の下部は海鼠塀になっています。通りからは伺えませんが、建物の裏には3層の土蔵が残っているように案内のマップに出ています。服部邸は県指定文化財に登録されています。
 この服部邸の卯建の形は唐破風のような屋根に丸みを持ったもので、他の町で見かけるものと一風違った形をしています。小塚邸に見る卯建も上に緩く丸みを持っています。

竹田邸・岡邸・小塚邸
 有松の町の中町・西町の地区に3邸が並んで建っています。竹田邸の屋根には古いアンドン看板が残されています。小塚邸には卯建があります。これらの3邸も江戸期に建てられた建物です。

服部邸 服部邸の卯建飾り 有松山車会館
展示中の布袋車 町中で見られる有松絞りの暖簾 唐子車山車庫(中町)
絞を扱う久田邸の店先 小塚邸も卯建があがっている 竹田邸のアンドン看板
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