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大原古町 旧街道の風情を色濃く遺す町並み   岡山県町並み保存地区
町並み分類:宿場町
公開施設:大原本陣(予約すれば御成門の内のみ見学可能) 
岡山県美作市古町                                2011年4月3日(日)訪問        地図
智頭急行智頭線大原駅下車、駅前の道を西へ、町並みのある因幡街道まで約4分。
 本陣(右)の前の街道を南に向かって撮った因幡街道に沿って北から坂根、小原、辻堂の三つの宿が設けられていた。ここ古町は、そのうちの小原宿で、隣接する辻堂宿(大原中町)とは距離も短く、本陣、脇本陣は小原宿にだけあった。
 小原宿が古町と呼ばれるのは、明応年間(1492〜1501)に竹山城に城を移したときに、山麓の城下町を下町と呼び、下からあった小原を古町と呼ぶようになった。現在も地図上で、北から古町、中町、下町と続いて、宮本武蔵の里の美作市宮本へと続いている。

 小原宿(古町)には、本陣、脇本陣が共に残っている。本陣は天明年間(1781〜89)の火災のあと、寛政年間(1789〜1801)に再建されたものです。御成門、数奇屋造りの御殿、回遊式の庭園など、当時の風格ある姿をとどめています。
 脇本陣もやはり文政年間(1818〜30)に再建されたものですが、この町で唯一の長屋門をもっています。主屋は切妻造り平入り、中2階建てで式台玄関を持ち規模の大きな町家建築です。本陣と脇本陣が共に残る宿場町はそれ程多くありません。古町ではその慮法が残っていて、お互いに街道を挟んだほぼ向き合ったところに建っています。

 この町でただ一軒の造り酒屋の田中家は、商家建築の代表的なもので、切妻造り二階建て、平入り、式台付きの玄関を備え、大屋根には煙りだしを設けている。明治初年以来ずっと酒造を続けています。脇本陣湧元家の北側に建っています。
 北隣りに難波邸があります。式題玄関を持つ家屋で、それなりの格式をもった家であったことがうかがえます。今回の訪問は丁度「古町のひな祭り」の開催中で、飾り付けたお雛様を見るために部屋に上がらせていただけました。期間限定の施設公開です。

 この町の家屋にも例によって袖壁が取り付けられています。古町ではこれを「火返し」と呼んでいます。過去4回にもなる大火に見舞われた土地ならではの防火設備であり呼び名になっています。他にも防火のための施しがいろいろしてあるようです。

 大原の町並には水量の豊富な水路が流れている。芋車と呼ばれる、水車のように回転する容器が水路でくるくると廻っている。熊川の宿でも同じものを見かけた。やはり芋車と呼んでいた。

 次の列車までに時間がたっぷり残ったので、大原駅から一駅先の宮本武蔵駅まで歩きました。剣聖宮本武蔵が埋まれてっ幼少期を過したところです。宮本武蔵の里として売り出しているところです。宮本武蔵の生家跡、宮本武蔵を祀る武蔵神社、武蔵武道館などがあります。ここに建っている平尾家は、武蔵野姉が嫁いだという旧家です。入母屋茅葺の建物がありました。 

手前田中酒造場と向こう側脇本陣 式題玄関を持つ難波邸 漆喰塗込め海鼠壁の長屋門
本陣家の長い漆喰塀 古町小原宿の町並み 本陣の御成門
古町小原宿の町並み 田中酒造場(田中家) 宮本武蔵の里(平尾家)
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