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北前舟で栄えた港町 三国町

福井県坂井市  JR北陸本線福井駅からえちぜん鉄道に乗換三国駅  2007年12月22日(土)訪問

 九頭竜川河口に開けた北前船の船運で栄えた町です。北前船の北の玄関口として多くの廻船問屋が軒を連ね、材木問屋、油問屋などの商家も今にその姿をとどめている。九頭竜川に沿った建物では通り庭が裏の川筋まで通っている。三国地方にはこの地独特の建築様式として、カグラ建てという建て方の家屋がある。切妻造りの建物に切妻造りの片流屋根をかけたもので、一見して平入り家屋と見える建て方になっている。

三国湊座
 駅前の道を真直ぐに歩き、三国湊北前通りを左折したすぐの所に観光の拠点として、ボランティアガイドを引き受けたり、食事休憩も出来る情報発信の施設三国湊座がある。レンタサイクルの貸し出しもしているが、急がない旅であれば自分の足でゆっくりと歩いて回れます。街歩き地図なども頂いて出発しよう。

旧岸名家(かぐら建て)旧岸名家
 三国湊座のすぐそばに旧岸名家はある。内部を一般公開していますので入ってみる。ここは元材木問屋を営んでいた商家で、裏の九頭竜川まで通り庭が通っている。座敷の中まで上がって説明を受けることが出来ます。二階にもあがらせてもらえて、傍についてゆっくりと説明も聞くことが出来ます。当の岸名家は芭蕉門下の岸名昨嚢の住んだ家でもあり、二階には句会を開いた時の席順を再現した部屋があります。1階の坪庭には水琴窟がありました。親切にも上から水を流してその音を聞いて下さいと勧めていただきました。
 こんなにも十分な説明を受けることが出来るのに、入館料が必要ないんです。玄関土間に寸志を受ける箱が置いてある控え目な公開施設です。表通りに出て建物の写真を撮っていると、わざわざ玄関の
引き上げ大戸を下ろして下さって、潜戸のついている家の様子を写真にとるように勧めていただきました。写真に見るようにこの岸名家はカグラ建ての造りになっています。

三国湊町町屋館
 町屋館は表をベンガラ色に塗った赤っぽい感じになっていて、これも三国の町の特徴的な建物です。内部は観光のための展示スペースになっていて、ここでも説明の方がついて下さって、時間をかけて説明を聞くことが出来ました。カグラ建て家屋の模型が置いてあり説明を受けることができます。模型を目の高さで正面から見たときにカグラのように見えるのでカグラ建て名前がついたという説明のようでした。ここで言うカグラは神楽を舞うときの獅子頭のことではないかと想像して聞いてきました。この解釈であっているのでしょうか。

旧森田銀行本店旧森田銀行本店
 北前通りをもう少し先に進むと左手に洋風の建物があります。大正9年に建てられた県下で最も古い洋式建造物です。廻船業を生業としていた森田家が創業した銀行を、坂井市が文化遺産として保存しています。中に入ってみると、此処でも、お時間があればご案内しますと係の方が応対して下さり、建物の各部分の歴史背景などを丁寧に説明を受けることが出来ました。随所に三国の町の繁栄の証を観ることが出来る。当時としては贅を尽くした建物であったようです。

 街中にはカグラ建ての建物があちこちで見られます。町並みの通りの雰囲気を残しているところも三国北前通りの他、昔色街として栄えた三国町神明の辺りにも、山王と呼ばれる辺りにも見ることができます。

 今回の旅では少し時間を割いて東尋坊まで行ってみました、さらに時間があればえちぜん鉄道「あわら湯のまち駅」は芦原温泉の温泉最寄りの駅でもあり、日帰り旅でも温泉に浸かって帰ることもできます。古い町並み散策には丁寧な説明を受けることが出来、景勝地の東尋坊にも行って、日帰り温泉も楽しめる旅になります。青春18きっぷを一枚と、えちぜん鉄道の一日乗り放題切符でお得な旅行です。


旧岸名家通り庭

旧三国大野屋

宮太旅館

森田本家

三国祭の
山車蔵

出村の町並み
魚志楼

口留番所跡
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