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武 生 古くから越前国の中心地
町並み分類:城下町宿場町門前町
文化財:旧武生公会堂・旧武生郵便局・旧中村商店ほか(登録有形文化財)
公開施設:武生公会堂記念館(旧武生公会堂)・キリン刃物博物館(要予約)無料
越前市元町・本町・京町・蓬莱町・若松町・天王町・深草など      2011年8月17日(水)訪問         地図
JR北陸本線武生駅下車、
 武生は、古代律令時代の昔から越前の国の国府が置かれ、越前の中心として栄えたところです。かつては「府中」と呼ばれていた。今も、越前市役所のある辺りが府中という地名になっていて、府中の名称が使われます。

 関ヶ原の戦い後の慶長6年、府中に福井藩家老の本多富正が入府して、城下町の整備が行われた。その場所が越前市役所のあたりになります。
 また、北国街道を中心にして、農産物や鉱山物資の集散地でも有り、工業生産も行なわれています。その中でも打刃物産業の歴史は古く、今に引き継がれて地場産業として息づいています。
古い建物の家並みが残っている(元町) 城下町を中心にして宿場町、門前町の形態をとりながら複合的に発展した町が出来上がってゆきます。しかし、武生の町並みは明治以降、この町を襲った幾度もの大火災によって、歴史的な町並みが失われてゆきました。
 今は、僅かに残された古い建物と、明治末から昭和にかけて建てられた洋風の建築が混在する町並みを呈しています。歴史的建物が市街地に広く点在していて、まとまった家並みを形成するところを殆ど見つけることが出来ません。
 右の写真は、正覚寺門前から北陸道(善光寺通り)を隔てて南側に入ったところで見つけた家並みです。

 洋風の建物の中には、登録有形文化財の指定を受けたものが何棟かあリます。これらの建物を含めて、市が選定して指定した建物と合わせて「まちなか博物館」として、市の歴史を旅行者に見せる工夫がしてあります。
 越前市市街地の6棟の登録有形文化財がを以下に列挙しておきます。

 「旧福井県警察部庁舎」は明治32年頃に建てられて、大正13に現在の地に移築され幼稚園舎として今も使われている。擬洋風の望楼付建物です。「井上歯科医院」は土蔵作りながら外観を洋風に仕上げたもので、明治41年の建築です。「旧武生郵便局舎」であった建物は、大正3年築の下見板張りの洋風建築で、昭和4年まで郵便局舎であったところです。「旧中村商店」は明治45年築の木造3階建てで、和風を基調にした近代的な様式をもっています。履物を商う店になっています。「旧武生公会堂」は初期の本格的鉄筋コンクリート造です。昭和4年築です。その中で唯一江戸時代(嘉永元年)の登録有形文化財として「聖徳太子堂」があります。
 以上の内の「旧武生公会堂」・「旧武生郵便局」については写真を載せてあります。

 武生にはもう一つの顔があります。古くから越前の国府であったこの地に、父藤原為時の越前守に任ぜられたのに伴って紫式部も同行しています。そのため、武生には紫式部を偲ぶ公園が有り、紫きぶ七橋と云うものが、町の西側を流れる河濯川に7橋架かっています。
 日本が世界に誇る女流作家が、武生に住んでいたなんてことは知らなかったし、更には、絵本作家として有名な岩崎ちひろの生家もある。

旧北川医院(若松町) 大井ビル(元町) 蔵の辻(蓬莱町)
幸町 旧武生郵便局(蓬莱町) 大塚呉服店と蔵(蓬莱町)
本卯建が揚がる建物(元町) 右側の家が岩崎ちひろの生家(天王町) 旧武生公会堂(蓬莱町)
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