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桶 川 綿花の集積地として栄えた。
町並み分類:宿場町
文化財:小林家住宅主屋・下村家住宅土蔵・武村旅館(共に登録有形文化財)
公開施設:中山道宿場館(無料) 
桶川市南・寿・西                               20010年12月18日(土)訪問       地図
JR高崎線桶川駅下車すぐ
 駅前の道を真っ直ぐに、桶川駅前交差点まで歩く。ここを基点に南北に約1kmくらいに桶川宿の町並みが散策できる。先ずはこの交差点を左折して200m位の所にある「中山道宿場館」と云う案内所に行ってみると良い。町歩き地図、観光資料などが入手できるし、桶川宿の説明なども聞くことが出来る。
 私の訪問した時刻には、店じまいの準備をされていましたが、あらためて店内の明かりを点けて、時間を割いて説明をしてくださいました。感謝です。

旧中山道桶川宿の町並み 桶川宿は中山道の江戸日本橋から数えて6宿目にあたる。江戸を出立して歩き通して丁度辿りつく、宿場として賑わう位置にあります。宿場町が成立するまでは寒村であった町が、本陣1軒、脇本陣2軒、旅籠36軒を数えるまでに発展した。
 更に、この地は、近在の農家からの紅花の集積地でもあり、最上紅花(山形)に次ぐ全国2位の生産を誇っていたことも、町の発展の因となった。町並みの中の歴史的建造物はそれ程多くはなく、散見するくらいのものではあるが、発展した証しを色濃く残す建物が残されています。

 江戸時代には旅籠であった家屋が2棟、登録有形文化財に指定されています。そのうちの1軒は、武村旅館と云う現役のビジネスホテルになっています。
 江戸末期に建てられた切妻平入り家屋で、明治末期に建物の正面左半分を突出させて寄棟造の屋根を付けた形になっています。縦格子や庇に宿場の面影を残す旅籠建築です。
 もう一軒の小林家住宅は材木を扱う会社になっています、建物の一部では珈琲店も開いています。小林家住宅も江戸時代末期の建物です。

 この建物の向かい側に建つ矢部家住宅は、川越の菓子舗亀屋(山崎家住宅)を模して建てられた店蔵で、どちらかと言えば、小林家住宅より歴史を感じさせます。穀物問屋であった家。
 この町にはもう1棟の登録有形文化財があります。島村家土蔵がそれです。穀物問屋木嶋総本家が、天保7年の凶作の年に、苦しむ人々に仕事を与えるために建てたといわれ、お助け蔵と呼ばれている。蔵は黒漆喰で塗り固められた3階蔵で、桁行6間梁間3間、箱棟仕上げの重厚なつくりです。ただ、痛みが進んでいるのか漆喰の壁をトタンで覆ってあるのが少し残念。

 桶川宿には本陣の遺構も残っています。上段の間、次の間、湯殿等が残っているが、見ることが出来るのは本陣の門までで、それより奥は個人のお宅になっています。道路に面して本陣跡を示す説明版が建っています。加賀の前田家、水戸藩主徳川斉昭などが、桶川宿の府川本陣を定宿としていた。文久元年(1861年)には、皇女和宮の宿泊にも利用されたと書かれています。
 府川本陣は期間限定で公開されることがある。本陣の遺構は、埼玉県の有形文化財に指定されています。

 桶川の町は、町並み散策の範囲も狭く、建物に連続性もありませんが、要所に歴史を感じさせる建物が残っていて、散策に物足りなさはそれ程ありません。

武村旅館 島村家土蔵(3階蔵) 島村家土蔵近く
小林家住宅 矢部家住宅の店蔵 本陣の遺構が残る
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