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市場庄 伊勢街道に沿う妻入りの町並み
町並み分類:街道集落
公開施設:妻入り民家「いちのや」(無料休憩所及び案内所)(11/3/31閉鎖)
松阪市市場庄町                                       11/03/24(木)訪問     地図
JR紀勢本線六軒駅下車、徒歩約15分
 六軒駅から歩くこと約10分くらいで、三渡川にかかる橋にさしかかる。橋を渡ると早速に、当時の屋号を表札にしたためた家屋が建っています。ここから市場庄の町並みが始まります。
公開施設「いちのや」 旧伊勢街道を約1500mくらいの間に、町並みが展開している。多くの建物には昔の屋号を書いた表札が掲げられていて、中には新しく建て替えられた建物にもそれが見受けられます。町をあげて、この歴史的町並みを保存して行こうとする町の姿勢の現れです。
 町並みは、近鉄山田線を渡った先からは、古い建物がめっきり少なくなってきます。しかし、屋号を書いた表札を掲げる建物があります。この辺りまでが市場庄の街道集落です。

 建物の多くは、街道に妻側を見せた切妻妻入りになっていて、敷地の南側に庭を持つ家が多く見られます。妻面は板張りで、一階部分には格子が多用されています。
 一階屋根の庇に、板張りの日除け風のものが取り付けられています。関宿(三重県)ではこのようなものを幕板と呼んでいます。ここでも同じような目的で取り付けられているものと思われます。
 屋号「天満屋」の札が掲げてある市場庄では、平入り家屋も少ないながら見受けますが、漆喰塗込めの家屋を見ることは稀です。    

 街道は、右に左にゆっくりと、ところによっては急カーブでくねっています。宿場町で見られる見通しを悪くするためにわざとつけられた枡形のようなものではなくて、自然の地形に合わせてくねった街道筋になっているものと思われます。
 この地域は伊勢参宮のための旅人を相手にして、農業の傍ら客を相手にした副業的な商売をしながら発展した街道集落です。先にも書いたように、各々屋号を持っていたことがその現われかと思われます。
 中山道の上松宿から須原宿に至る途中の立場があった立町の集落でも、各戸に屋号を表示た町並みを見たことがある。街道に自然発生的に町並みが発展していった例ではないでしょうか。     

 市場庄の町並みの更に先に足を伸ばしたところに、長屋門を持つ家屋が残されていました。この建物は、舟木家の長屋門です。舟木氏は美濃の土岐氏の流れをくむと言われ衛士を務めた家柄です。与力窓、武者窓などを備えた格式の高い造りになっている。壁の一階部は海鼠米になっています。
 文禄年間(1592−1596年)に建てられ、何度かの改修を経て現在に至っている。門構えの上に2種の家紋がつけられています。一つは舟木家定紋でもう一つは家紋の替え紋だということです。

切妻平入2階にも格子が多用されている 家屋を北側に庭を南に配してある 街道が緩くカーブしている
蔵も板張り壁 二階妻壁が板張り 切妻妻入り家屋が並ぶ
横道から街道を見た(神楽寺辺り)  平入り家屋が向かい合っている   舟木家長屋門
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