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海港の宿場町

兵庫県たつの市御津町室津  山陽電車網干駅よりバス約25分  1966年6月18日(土)訪問

本陣薩摩屋'66年6月撮影 室津はこの時の旅が初めてではない。定かではないが1〜2年前にも友達の紹介で来ている。初めての時も今回も古い町並みが残されているこの町が、観光地化されていないことに喜びを感じた。知られていない所にもこんなに見所のある町があることを知ったから。浄運寺Y.H('66年6月撮影)
 室津のことは梅林でその名を知っていたくらいで、ここに江戸時代に参勤交代のときの諸大名の乗船、下船地として賑わい、その面影を今に伝えていることなど知る由もなかった。参勤交代の最盛期、通常は宿場には一つしかない本陣が、ここ室津には、一ツ屋・薩摩屋・筑前屋・肥前屋・肥後屋・紀伊国屋の六つの本陣があった事が紹介されている。今は、本陣跡として「本陣 薩摩屋跡」など石碑が残っている。このページに掲載した薩摩本陣の写真(左)は当時の撮影によるもので、今はもう見ることが出来ない。当時の私の日記には「・・・・薩摩本陣は今は廃墟として残されている。そこに老人が1人住んでいるので、中へ入れてもらっていろいろと話を聞いた。」と記録が残っている。廃墟としてという表現はよくなかったと思う、お許し下さい。その時に裏庭の写真、内部の写真を取らせていただいたのですが、ネガもプリントも見つかりません。残念です。
 当時宿泊した浄運寺Y.H(写真右)は今もユースホステルとして宿泊客をもてなしているようです。 

以下の文章は後日('08/06/28)に追加で書き込みました。

'63当時の地図 1963年5月3日に室津に初めて訪問した時の記録が残っている。この時は写真が残っていないけれども、左の図のような町の地図が日記帳に残っていました。日記の一部を書いておきます。
 「・・・・梅で有名な室津は遊郭の発生地としてもその名をとどめているそうな、家屋の造りにも年ふりたものが感じられる。格子のはまった家、門口の造りが如何にも昔を物語っているもの、ふと入った店で、おばさんが親しく話しかけてくれた。となりの家が昔の女郎屋だったとも、前にある家が昔、薩摩の殿様が泊まった旅籠(本陣)であるとも言ってくれた。それにこの家だって遊郭の検査所(検番)だったとも聞かせてくれた。家の造りが古い、階段の下を物置・引出しに利用した凝っ造り(箱階段)。屋根の低い造り(厨子二階)、柱などの木材の昔風なもの・・・・・・」()内はこのサイトを書く時に注釈として補充しました。

 今、室津を訪れても、新しく整備されてしまった町並みに出会えるだけで、写真の薩摩本陣にはお目にかかれなくなっている。

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