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木曽の政治の中心 木曽福島

長野県木曽郡木曽町福島上の段 JR中央本線木曽福島駅下車徒歩10分 2009年8月20日(木)訪問 地図

上の段町の家並み 現在の木曽の中心は木曽福島です。JRの特急が停車する駅で、駅前も整備されて町の賑わいが感じられます。これは江戸時代以降に幕府と尾張藩によって行政の中心が置かれたことに始まりますが、それまでは、中世に木曽谷を支配した木曽氏の時代には、須原が政治の中心地でした。須原は福島宿から京へは2つ目の宿場町です。

 木曽福島には福島関所がおかれ厳しい取り締まりが行われていた。関所の跡は整備されて保存されています。中山道を訪れると島崎藤村の名前によく出会いますが、この福島には高瀬家資料館が福島関所のそばにあります。島崎藤村の姉の嫁ぎ先で、藤村の作品「家」のモデルになったところです。

 福島の町は昭和2年の大火で丘陵上にある上の段町を除いたほぼ全てが焼失してしまった。上町、本町などの殆どはその後に復興した建物が立ち並んでいる。唯一残った上の段町には、伝統的な古い街並みを残しています。上町辺りに復興した建物にも、本卯建をつけた家屋や伝統的な建築様式を持ったものもありました。造り酒屋の七笑酒造の横道は伊勢屋小路と呼ばれる板塀の続く小道です。

崖屋造り-表通りから見ると普通の姿 ここ、福島の町で特筆的な建物は、木曽川沿いの狭い土地に建てられた崖屋造りです。表通りからは2階建てにしか見えないのに、川側から見ると3階建て、4階建てになっています。木曽川沿いの道で、行人橋から一つ上流の行人橋歩道橋との間の河原から崖屋造りの様子が見られます。

 上の段町は川沿いの道を一つ坂を登って高台になったところにあります。高札場のある一方の枡形から、古い井戸のあるもう一方の枡形まで200mくらいの、旧の中山道に当たるところです。古民家は甘味どころ、レストランなどを営業していましたが、表通りを昔ながらの構えにしてあって、町並の形成には異質なものを感じません。祭り会館というのが清明神社の中にあり、拝観が自由に出来ます。大通寺に通じる横道は、なまこ塀の土蔵が続いていて時代の雰囲気を漂わせています。

 上の段から駅に向かう途中には八沢地区があって、重厚な感じの建物が軒を並べています。漆器の店が並んでいる漆器発祥の地だそうです。


上の段町

上の段町(水場)

寺門前小路
なまこ塀が続く

高札場

本町にある
七笑酒造

関所の近く
本卯建を付けてある家

八沢地区の
昭和の町並み
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