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水舟の里 須原

長野県木曽郡大桑村須原 JR中央本線須原駅下車すぐ 2009年8月21日(金)訪問 地図

倉本の集落 ここ須原にも上松宿から徒歩でやってきた。本来は町並みを巡る目的なのだが、JRの運行本数と、中山道を歩いて移動する距離・時間数のどちらを選択してもそれほど行程に差がなかったので、途中の景色なども見ながら歩いて移動した。歩くことによって、須原宿に至る途中の立場があった立町の集落や、JR倉本の駅に近い倉本の集落の古い街並みも見ることができた。
 立町の民家には、名字とは違う表札が揚がっている。例えば、「米屋」さんのような名前のものであった。町の方に話を聞いてみるとそれは昔の屋号であるとの説明です。かといって、商売をしていたわけでもないとの説明です。屋根は元々は石置きであったと思われるような、勾配の緩い家が多い。
 倉本の集落は街道にあった農村集落の名残なのだろうか、貯蔵用の蔵が何棟か民家と混在して残っています。

 須原駅前の「大和屋」というお店が須原の観光案内所も兼ねた店になっていた。店先に置いてある町歩き地図をもらって町の散策をする。駅前のあたりの上町から、本町、中町、茶屋町と家並みが続いている、その先に常勝寺があって、この辺りが門前上、門前下と呼ばれる。古い町並みはこの辺りまでです。

須原宿の家並み 須原宿はJR須原駅前から始まる。国道19号線から駅前近くに、水舟の里・須原宿の表示が出ている。この道を上るとすぐ左手に駅舎がある。じつはこの道より少し先に細い道があってここが須原宿の入口にあたる。階段そばに武家屋敷風な構えの家がある。ここは、本旅籠であったと、この家で住んでいたというご婦人が話しかけて下さいました。一見して、旅籠風でないたたづまいなのですが、そういう説明でした。

 街道を進むと集落の所々に「水舟」と呼ばれるサワラの丸太を刳りぬいた水場があります。街道の雰囲気が和みます。この宿場町は大火の後明治の始めに復興したのですが、古い歴史を感じる佇まいです。家並みの連続性も比較的良くて宿場町の雰囲気を感じる散策になります。町の中ほど仲町の辺りに西尾酒造という造り酒屋があります。この家は脇本陣を務めていました。
 少し先に行くと西尾家の向かい側に柏屋という旅籠であったと思われる立派な家があります。この辺りにが宿場の枡形になっています。鍵谷の坂と呼ばれていて、真中に小川が流れていて両側に家が建っています。このような風稀有は他ではあまり見られないものと案内されています。残念ながら、両側に建っている家と小川の様子からは、当時の宿場町の様子はうかがうことができません。

 木製の看板を掲げた二階の格子戸のはまった様子、1階の細格子、台格子の組み合わせ、せがい造りの軒先の様子、ゆるい勾配の平入りの町並みは、水舟との取り合わせによって、しっとりとした感じです。決して、多くの古い建物を保存していない町ですが、心のなごむ街並みです。


武家屋敷風の家
旅籠であったらしい

水舟
宿場の要所にある

柏屋
せがい造りの軒先

西尾酒造

鍵谷の阪

1階も2階も格子が
はまっている家
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