永楽館は興業のおこなわれていない休館日を除く日に一般公開されている。入場すると説明を受けることができ、舞台下の奈落の装置などが見学できる。
建物の特徴
明治35年竣工の数少ない明治建築の劇場で、現地に残っている芝居小屋としては日本最古の建物です。金刀比羅にある金丸座(天保6年)は日本最古の芝居小屋ではあるが、のちに移設して立て替えられている。
但馬の芸能文化の中心として、上方歌舞伎、剣劇、落語などの上演を続けてきたが、昭和38年頃からは劇場としての使用がなくなり、その後40数年を経て平成20年8月に復元され、こけら落し興行が行われました。
外観は独特な赤茶色の土塀と、通りに面してつけられた太鼓櫓に特徴があります。
舞台装置
舞台装置としては、直径6.6mの回り舞台とせり上がり、舞台から続く花道、その花道に設けられたスッポンがある。奈落に降りてみると回り舞台の回転の装置、せり上がりの機構が見学できる。花道に続くすぽんは人力で担ぎあげるせり上がりになっていることがわかります。それに反して、セリは人力で担ぎあげる装置ではなくて、ロープでの巻き上げ式になっています。
上手側にも仮花道が付けらっれるようになっている。そのスペース分だけ平桟敷席のない通路がとってある。
舞台の上部にはぶどう棚があります。ぶどう棚は雪や花吹雪を散らせたり、幕を吊ったりするのに利用されるもので、金丸座には客席の上部までそうなっていたのとは違って、舞台の上部だけ付けられている。本来、ぶどう棚が設けられるのは舞台の上だけなので、ここ永楽館の場合が普通の状態です。
舞台の後ろ側は役者のための控室であったり、化粧室であったりに利用されるように何室かに区切られています。一角に五右衛門ぶろの浴槽を持った風呂場が復元されていました。
客席設備
1階には平桟敷のほかに東西の桟敷席があり、東西の桟敷席の上に2階の枡席が設けられています。大向こうの席は緩く前下がりになっていると説明を受けました。
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