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筒石駅はトンネルの中
糸魚川市筒石大字仙納字大谷928(JR北陸本線筒石駅)             2010.7.21(水)訪問      地図
 筒石駅は駅舎は地上にあるが、上下線ともホームは全長11,353mの頸城トンネル内にある。駅舎の改札口からホームまでは階段を利用することになっている。筒石駅は、下り列車を利用すると、糸魚川駅から4駅先、上り列車で行くと、直江津駅からも4駅先にある。能生駅を出てすぐに頸城トンネルに入り、2駅先の名立駅でトンネルから出る。筒石駅はその中間の駅で、正しく頸城トンネルの中にある。

駅舎に向かう224段の階段 北陸本線は、昭和44年まで今の路線より海側を走っていたが、複線電化に伴って、今の路線に切り替えられたという経緯がある。移設前の路線及び駅舎は、この地方特有の地滑り地帯の影響を受けて、事故が多く、不通になることがしばしばであったようです。当時の線路跡は、自転車専用道となって整備されています。    

 駅の構造は、相対式2面2線で、上りと下りの線路と、それを挟むホームからなっています。ただ、他の駅とは違って、上りと下りのホームは互い違いの配置(千鳥型の配置)になっている。上り富山方面のホームは東側に、下り直江津方面のホームは西側に設けられている。これは、トンネルの断面積を小さくするための措置で、そのために、ホームの幅も狭くなっています。    

 今回は、直江津から上り列車で訪問して、筒石駅で途中下車の後に、上り列車で糸魚川・富山の方向に向かうコースを採りました。途中下車の理由は、筒石駅の階段の紹介のほかに、筒石の町並み訪問も兼ねています。

 下りホームへ降りてゆく66段の階段駅舎は、筒石の集落からおよそ800m位山側に上ったところにあります。徒歩で15分くらいです。駅から集落へは下り坂になっているので、10分くらいで歩ける距離です。駅舎は、工事現場のプレハブ小屋を化粧直しして、それらしく作ったという程度の建物です。駅がトンネルの中にあって乗客の危険防止のために、乗降客が少ない駅にもかかわらず、駅員が常駐しています。閑散とした無人駅の侘しさというものがない華やいだ駅舎内です。

 改札を抜けると、風除けで覆われた通路があって、その先に直ぐ地下への階段が始まります。この部分は、トンネルを掘ったときの斜坑を、右側に一部分坂道を残して階段にしてあります。224段あります。224段の階段の先にはまだ斜坑が続きますけれども、フェンスで囲ってあり、先には進めません。トンネル工事の遺構として残っています。この辺りまで下ってくると、外気との温度差があって、夏は涼しく、冬暖かな地底の温度になっています。
 階段とホームの概念図この先で左に曲がって下ってゆく坂道が続きます。約100m位の坂道の中央辺りに、下りホームへの階段が、右に降りて行くように付けられています。66段あります。改札を通ってから、290段で下りホームの待合室に到着します。
 階段を降りたところは、直ぐにホームになっていなくて、ホームとはドアで仕切られたな待合室になっているのです。トンネル内は、列車通過時の風圧で、相当な流速の風が通ります。そのため、危険を予防するための仕切られた待合室になっているのです。
 上りのホームへは、さらに100mほど先を左に降りる階段(56段)を下ると、ここにもドアでホームと仕切られた待合室があります。上りホームへは合計で280段あります。
 ホームの幅が狭いこと、列車が通過するときの風圧がすごいこともあって、ホームの壁には手すりが取り付けてあります。トンネル内は、地下水の浸み出しがあって、階段、通路、ホーム、待合室の床がいつも水にぬれていますので、ホームでの、通過してゆく列車の写真撮影は十分気をつける必要があります。
 駅員は、到着列車のたびにホームに降りて行くのですが、個人的なホームの見学のためには駅員が付いていませんので、自分で気をつけて行動しなければなりません。

筒石駅駅舎 筒石駅駅舎内 224段の階段
ホームへの移動通路 下りホームへの階段を見上げる 下りのホームから上りホームを見た
上りの待合室から上がる階段 上り側の待合室 停車中の上り列車
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