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鏝絵の町 大分県安心院

大分県宇佐郡安心院町  JR日豊本線別府駅・中津駅 2008年12月23日(火)訪問

 町中で多くの鏝絵を見ることができる町として安心院は知られています。一度訪問したいと思っていたけれど、大阪からは遠く1〜2泊では訪問できないので予定を立ててみることもしなかったところです。しかし、JR九州が発売しているアクティブ65という割安切符のあることを知って、青春18きっぷとの併用で訪れることにしました。

 日豊本線の別府駅・大分駅・中津駅などからバスが出ています。今回は、別府西口発の9時55分発に乗車、帰りは高速安心院発16時28分で帰ってきました。バスの往復で3時間弱を費やすので、現地滞在時間を少なくとも2時間〜3時間くらいとって行動をするとすれば、運行しているバス便を自由に選ぶことができません。宇佐市観光協会安心院支部

 安心院の町では鏝絵は広い地域に分散しています。別府駅から乗車したバスが安心院の近づいてくると、車窓に鏝絵のある家屋を時々目にすることになります。けれども安心院の町の中心部へはまだだいぶ遠い距離です。
 バスを安心院支所前のバス停で降りて、少し戻ったところに観光協会があります。ここで鏝絵探索のための地図と資料をもらいます。見どころなども併せて教えてくださいます。広い地域を回るためにはレンタサイクルも利用できます。もちろん、帰りのバス便などもしっかり聞いておきます。私の場合はすっかいお世話になって、帰りのバスの高速安心院のバス停まで車で送って下さいました。ありがとうございました。

下市・折敷田地区
重松家 観光協会のある下市・折敷田地区は歩いて回ることのできる範囲です。1時間くらいを考えておけばいいと思います。この地区は高等学校、町役場などが隣接している地域で町の中心部です。20か所位の鏝絵があります。この中には明治に作られた古い鏝絵が4つ程残されています。あとの多くの物は平成になってから、それも平成16年制作されたもので、町興しの一環として整備されてきたもののようです。中には、まだ調査中で制作年などの特定されないものがあるようです。この地区の重松家は鏝絵もそうですが、建物は明治17年に建てられた古い物です。市指定史跡になっていています。

竜王地区
 この下市・折敷田地区から南の方に約1km程の所に竜王地区があります、レンタサイクルを走らせて10分くらいです。途中にも何ヵ所かの鏝絵があります。この地区では4つの鏝絵を見てきました。そのどれもが明治の時代に製作された古いもので、内1つは妙菴寺の本堂の欄間に取り付けられているものでした。庫裡を訪れて本堂の中に入らせていただきました。蓮の花が咲いて散ってゆく様を1枚の鏝絵の中に表現したものです。

妙菴寺の本堂の鏝絵仙の岩大地区
 予定では竜王地区から引き返して帰路に就くつもりにしていたのですが、バスの時間に間があったので、さらに南の方にある大地区まで2kmほどレンタサイクルを走らせました。ここでも明治時代に製作された4つの鏝絵を見ることができました。竜王地区から大地区の途中に仙の岩と呼ばれる国指定名勝があります。奇岩がそそり立っていて自然の造形の妙に感動します。

安心院の鏝絵
 日本全国で確認されている鏝絵の約1割にあたる数が安心院に残っています。その数は70余ヵ所です。なぜ安心院に多くの鏝絵が残されているのかと云うのには諸説あるようです。その中でも安心院の左官職人の活躍によるところが大きいのではないかとも思われます。長野鐵蔵や佐藤本太郎といった左官職人の作品が多く確認されています。

 町中で多くの作品の写真を撮ってきましたけれども、私の写真を多く載せるよりも、安心院の鏝絵を紹介したサイトとを見ていただく方がよいと思います。私の写真は主なものだけにしました。

鏝絵見学の注意点
 個人邸宅内に立ち入る時には許可を得るようにしましょう。見学中にそのおうちの人と顔を合わせることがあったら挨拶を交わしたいものです。個人の所有物には手を触れないようにしましょう。マナーを守って正しく行動したいものです。
 鏝絵一覧表を参考にして、鏝絵が家のどの部分に取り付けられているかを確認することが大切です。目に付かないところにこそ、そこのお家のすぐれた作品があることもあります。母屋戸袋、母屋妻壁、土蔵戸袋などと説明してあるので必ず確認して、効率よく見学したいものです。


重松家の龍

夷大黒鯛の
三番叟

龍・鶴・兎・鼠


朝顔・雷


松に鷹

浦島太郎

雁に人

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