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尾 道 階段の町、ノスタルジックな町  小京都(全国京都会議加盟)
町並み分類:港町
広島県尾道市長江1丁目・2丁目・西久保町・東土堂町・三軒家町       2011年1月7日(金)訪問    地図
JR山陽本線尾道駅下車、徒歩約15分
 尾道の町並みの特徴となっているのは、国道2号線とJR山陽本線の北側の斜面の狭小な土地に、階段と石畳の道が続く町並みで、千光寺山の下に、西土堂町、東土堂町が細長く東西につながり、多くの寺社を配した家並みが続いている。尾道の町は階段の町として、テレビなどで紹介されることが多い。

町屋再生建物 旧北村洋品店 この地域の西側、尾道駅の裏に当たる三軒屋町に、「尾道空き家再生」プロジェクトによって、再生されようとしている旧和泉家別邸(通称尾道ガウディハウス)や旧北村洋品店と呼ばれる、昭和初期の建物に出会える。ガウディハウスの少し先には、吉源酒造所の蔵と母屋がありました。

 長江1丁目の町並み尾道で歴史的町並みが見られる地域は、石見街道に沿った長江1丁目・2丁目の辺りで、それも、多くの建物が残っているわけではありません。その保存状況も良くありませんから、家並みが形成されている所を殆ど見ることが出来ません。
 建物の多くが、軒蛇腹をつけた本2階建てになっていて、大正期以降のものが戦災を免れて残った町なのではないかと思われます。
 今回は、長江2丁目まで足を延ばしてきませんでた。     

 尾道の町でもう一つ特徴的なことは、映画のロケ地としてしばしば利用されることです。この点からしても、この町が、ノスタルジックを感じさせる町並みを残しているからに他なりません。尾道水道を向島まで渡すフェリー(渡し船)が就航していることも、映画のロケ地の条件になるのでしょうか。
 本町通り商店街に「大和湯」と言うお風呂屋さんが当時の姿をとどめて「ゆーゆー」と言う喫茶店になって残っています。商店街の街角には井戸をくみ上げる手動のポンプが残っていたりします。 

尾道ガウディハウス
 NPO法人「尾道空き家再生プロジェクト」が進める町おこしによって、甦りつつあるこの建物「旧和泉家別邸」は、坂道の町尾道の風景に上手く溶け込むように、崖地を利用した建て方になっていました。
 下から見上げると3階建てほどに見える建物ですが、1階部分の基礎になる石垣の上に建てられています。玄関が既に2階の辺りにあります。2階の一部は坂道を登った1階かと思われるところに一部が存在します。懸崖造りになっています。

 玄関には”修復中のために内部の公開をしていません”と出ていましたが、2階の屋根を修復されていた方に、この家の様子をお尋ねしましたら、鍵を開けますのでご覧くださいと、思わず中を見せていただけました。
 狭小な崖地を利用した建物の内部は、複雑な間取りになっていました。部屋も充分な大きさのものが取れない中にあって、玄関、取次ぎの間、家事室、洗面、台所、便所などが、上手くとってあります。1階の基礎部分を掘り下げて、物品貯蔵のための地下室も用意されています。

 2階に上る階段も、踏面が不規則な幅で、僅かに旋回して上ってゆく、よく言えば凝ったつくりです。使われている材はしっかりした物で、外壁に使われている杉板が、今もしっかりと建物を保護している様子から推し量ることが出来ます。2階の8畳の座敷には本格的な床の間も備わっています。この部屋と廊下を隔てて、洋風の部屋がありました。出入り口が閉ざされていましたが、張出した窓台から様子をうかがうと、外壁がモルタルで出来ている様子です。この洋館部分は写真(下中)で見る坂道の上の1階に見えるところです。   

 外観は基本的には寄せ棟の造りになっています。複雑にかけられた飾り屋根と庇の組合せ、2階の側面の窓が洋風の上げ下げ窓になっていたり、下見板張りの外壁などとも相俟って、素晴しい建物です。
 近くに、「旧北村洋品店」(写真左上)があることも教えていただき立ち寄ってきました。この建物も「尾道空き家再生」で甦った建物です。

吉源酒造所(三軒家町) 旧和泉家別邸(写真拡大 千光寺道(尾道は階段の町
長江1丁目 長江1丁目 長江1丁目
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