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段駄羅保存会 投稿作品 段駄羅データ(エクセル)
 
段駄羅とは

 段駄羅は能登の輪島で漆塗り職人の間で受け継がれてきた言葉の遊びでありながら、長い歴史の中で文芸の域まで高められてきた、短詩形文芸です。俳句や川柳のように五七五の形式をもっています。これらと違っているところは、中の七文字(七音)を異なる意味に読み替えて、上の五文字(五音)と下の五文字(五音)にそれぞれつながるように創作するところにあります。
 段駄羅の作品の例を一つ上げて説明します。

   あぶり餅 こがしゃかとなる 摩耶夫人

というのがあります。この句の中の七文字(こがしゃかとなる)は、上の句としては、あぶり餅、焦がしゃ固となるとつながっていて、下の句では、子が釈迦となる摩耶夫人と全く意味の違った句として、意味の転換の妙のある句に仕上がっています。
 このように中の七文字を二つの意味にとれるように考え出して、それに上の五文字と下の五文字をつけてゆく遊びが、段駄羅というものです。

段駄羅の盛衰

 能登半島の輪島という土地で育まれてきた段駄羅が明治期も末頃になると、新たな娯楽などの出現もあって次第に薄れてゆきます。さらにはラジオ放送の開始などによって、輪島塗職人が手仕事にふけりながら段駄羅の作句を楽しむ代わりに、ラジオに耳を傾けるような環境にとってかわったことも影響しています。輪島塗を支えていた北前船の衰退も段駄羅の衰退にかかわっているところがあるようです。
 平成7年、段駄羅を続けておられた輪島塗の職人から手ほどきを受けていたメンバーが中心となって「輪島段駄羅同好会」が結成されました。この会は、段駄羅が平成21年6月12日付けで輪島市の無形民俗文化財に指定されことを機に、輪島市指定無形民俗文化財「輪島塗文芸段駄羅保存会」と名称を変更しました。
 今後は保存会として、輪島市指定無形民俗文化財である段駄羅の普及活動にさらに努力していくことになります。

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